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2017年07月15日

終末期・終活 地域連携 つどいの場

99. 「在宅療養」 演じ伝える・たっしゃか草野で旗揚げ公演

いわき市草野地区のお年寄りの集いの場「たっしゃか草野」が13日、草野地区公民館で開かれました。平地区の医療や介護福祉の専門職有志が、病院から在宅療養へ移る患者の支援を描いた劇「家で暮らしたい」を旗揚げ公演。医師や薬剤師、介護支援専門員(ケアマネジャー)らが本職の役で出演し、患者と家族とのやり取りを実際のように再現。イメージしにくい「在宅療養」の現場を、住民に実演し伝えました。

● お年寄りの孤立化防止へ
「たっしゃか草野」は2012(平成20)年にスタート。高齢化の一方、老人会の解散や引きこもりが生じたため、お年寄りの孤立化防止がきっかけでした。「地域住民・高齢者の集い」「健康づくり」「孤立を防ぐ」「見守り」の4つの場を目的とし、草野地区区長協議会と第10方部民生委員が主催しています。毎年3回、リハビリ体操、健康講話などを企画。会場では、保健師らが血圧測定や健康相談を行います。

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↑脳梗塞について解説する医師の松田さん(右)

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↑ベッドで横になり脳梗塞になる夫を演じる地区住民(右)と妻役の緑川さん(中央)

● “役者”陣は実際の専門職者
劇は、医療や介護福祉の専門職でつくる「平在宅療養多職種連携の会」の有志9人と草野地区住民1人が出演(※2)。平地域包括支援センター職員の緑川しのぶさんが脚本を書き、数回の打ち合わせ・練習を経て初公演に挑みました。ストーリーは、脳梗塞(こうそく)になった夫78歳と介護する妻を、在宅でも安心して暮らしていけるように専門職らが連携してサポートする内容。容体急変から退院して夫が「たっしゃか」に通えるまでを描いた5部構成。合間に医師が、在宅療養が必要とされる社会的背景、脳梗塞の予防策などを解説しました。

※2
出演者リスト (640x403)

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↑相談員役の市職員・猪狩さん(右)と、ケアマネジャーの中野

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↑管理栄養士の加藤さん(右)

● 患者、家族とのやり取りを再現
この日「たっしゃか」には、90代も含めた住民約100人が来場。劇で「たっしゃか」へ通う日の朝に夫が急変し、妻が119番通報する場面では、「救急車呼ぶね」と焦る妻に、脳梗塞の夫が「ハイ」と冷静に返事すると会場から笑いが起きます。2週間後の病室の場面では、ケアマネジャーと病院の相談員が訪れ、「家に帰りたい」という夫と「介護を頑張る」という妻の意思や、まひが残る夫の体の具合、家の環境などを確認します。退院後、帯状疱疹の疑いが出るまで介護に追い詰められた妻は、ケアマネジャーに電話。「薬を飲ませるのも大変」「夫は歯も痛いと言う」「どうしたらいいか分からない」と悩みを聴くケアマネジャーは、「もう1人で頑張らなくていいですよ」と励まし、「多職種連携」で夫婦が安心できる在宅生活を考える「担当者会議」の開催を提案します。

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↑歯科衛生士の島さん(右)と、夫を演じる地区住民

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↑薬剤師の松﨑さん(右)

● 「担当者会議」を実演
「会議」の場面では、薬剤師、管理栄養士、歯科医師、理学療法士、介護ヘルパーが自宅に集合。管理栄養士は、調味料を助言し「1日3回の食事を一生懸命作るとバテてしまう。スーパーのおそうざいを活用してもいい」と、頑張らないことを強調。歯科衛生士は、効果的な歯みがき法を指導し「舌の掃除も忘れずに」とアドバイス。薬剤師は、混乱しないように薬の管理方法や薬手帳の使い方、緊急の連絡先を紹介すると、ケアマネジャーは「薬剤師と薬局は浮気しないで」と補足します。理学療法士は、まひの具合からリハビリ方法を提案し「きついなと思わないように、コツコツやりましょう」とエール。介護ヘルパーは「退院してすぐの入浴は難しい。週2、3回いすを使ってのシャワー浴をするのはいかがでしょうか」と提案すると、理学療法士は「将来は自力で入浴できるような練習もしましょう」と、介護ヘルパーと理学療法士の連携がありました。

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↑理学療法士の中島さん(左)

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↑ヘルパーの坂本さん(左)

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● 観客から盛大な拍手
8カ月後のシーンで、夫は「戻ってきました!」と元気にあいさつすると、観客が盛大な拍手。夫婦はそのまま観客と一緒にこの日の「たっしゃか」に参加し、理学療法士の指導で体操を楽しみました。最後、観客から血圧や、今回の劇と同じサービスを受けた場合のコストについての質問があり、医師やケアマネジャーが答えていました。草野地区区長協議会の相川忠司会長は「住民が健康寿命をまっとうできるよう、元気な地区をつくりたい」と話していました。

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「在宅医療推進へ 「市民への啓発」課題・いわき市「多職種研修会」で情報共有」 2017年7月12日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2235/
↑専門職者らは在宅医療を推進するため「市民への啓発」の重要性を認識しており、今回の劇は市民に分かりやすく「在宅医療」とは何かを伝えるものです。市民が一人でも「在宅医療」とは何かを理解できるようになれば、現場ではより高度なケアを提供できるようになります。

「多職種連携の重要性を語るいわき明星大看護学部の教授」 2017年6月14日投稿:https://iwakikai.jp/blog/2193/