毎年10月から新年度が始まる医和生会(いわきかい)の「令和4年度・事業計画発表会」がこのほど、オンライン上で開かれました。本年度は3カ年の法人中期目標の2年目。各部署長が人材育成や連携を意識した目標を発表し合い、不安定な情勢でも在宅療養を推進できる盤石な医和生会を目指そうと気持ちを新たにしました。
● 「人の育成、和と連携の深化」へ
医和生会の令和3〜5年度の法人中期目標は「磐石な医和生会を目指して〜次世代へ向けて、人の育成、和と連携の深化〜」。目標達成に向け「次世代を担う人材の育成」「互いに思いやり、協力し合う、連携力の維持向上」「地域住民ニーズに寄り添った、医療介護福祉サービスの提供」「予測される危機に応じた事業継続」に尽力する方針です。発表会は11月12日に開かれ、役員と管理職が出席しました。
● 山内理事長のあいさつ
前年度の全体事業総括の後、山内俊明理事長が今年度の方針を発表。コロナによる浮き沈みの大きな時期がまだ続くとし、社会生活の活動が活発になってきた一方で「第8波」が始まり予断を許さない状況だと引き締めました。コロナ対策に尽力しながら、いかに医和生会の医療・介護を継続するかが重大な目標とも。法人の中期目標に触れて、職員が互いに協力し合ってレベルアップできるよう呼び掛け「コロナ禍で大変な時期だが、来年の今頃は『よくやった』と思えるよう頑張っていきたい」と語りました。
● 医療部、介護保険部の発表
医療部の鈴木のり子部長は、前年度は行動指針に「しなやかな心で質の高いチーム医療の実践」を掲げた取り組みを語り、コロナ禍でも常に事業が継続できるよう取り組んでご利用者様と職員を守ったと振り返り。本年度は各職員が目標を持ち、習得すべき援助技術の手順とチェックリストを作成、働きやすい職場を目指した業務改善などに取り組む計画を立てました。感染対策チームも引き続き活動し、院内の感染防止に取り組んでいくと語りました。介護保険部の吉田剛部長は、本年度は「サービスに関わるすべての方が満足する事業所になることを目指す」と方針を掲げました。昨年度は基本に立ち返ってサービスの見直しに力をいれ、医和生会の介護職員に身につけてほしい介護技術を明確にした「医和生会ベーシック」を完成させた取り組みを共有。「本年度は一歩前進する年」とし「介護事業所として正しいことをしているか、自問しながら日々業務に取り組むようにしたい」と語りました。
● 事業推進部、業務部の発表
本年度から事業推進室と人事課を統合して新設した事業推進部の畠山勲部長(兼理事)は、「品質の向上を目指す」と方針を示し、医療・介護技術、接遇といった「サービスの品質」、効率を考えた「業務の品質」を高めると語りました。最も大切な経営資源は人材と考え「採用活動の強化」、部署間で協力し合う文化の醸成といった「医療介護の連携の基盤づくり」にも取り組むとしました。業務部の坂本裕生部長は各業務の計画を述べ「受け身ではなく、自ら各部署に働き掛けて対応していきたい」「職員の皆様が力を発揮できるよう取り組んでいきたい」と意気込みました。
● 診療科・検査科、コスモスの発表
診療科・検査科の渡邉守科長は、前年度のコロナ対策や山内宏之医師が加わっての体制の変化などを振り返り、本年度も環境の変化に対応しながら「個々が成長して互いに助け合って業務にあたり、患者様をより満足させる」「状況に応じたしなやかさを持って業務に取り組みたい」と抱負を述べました。コスモス訪問看護ステーションの鈴木聡子科長は、前年度は県からの委託を受け、コロナ自宅療養者への健康観察業務に参加し、スタッフ一同協力し合えたと振り返り。不安定な世界情勢や先の読めないコロナ禍でも「柔軟に流れに逆らわずでも自分らしさを持つ『しなやかな心』を持ち、コスモスらしさを失わずに患者様に寄り添っていきたい」と語りました。
● 通リハ、居宅介護の発表
通所リハビリテーションの菅波成年科長は、本年度は「その先を見据えて、利用者様の一歩一歩を支援する」を方針に掲げ、最近導入したAI歩行分析ツールの共有方法を模索し、職員自身も考えを持って上手に活用し「今ある資源を上手に活用して柔軟に課題に対応していきたい」と語りました。居宅介護支援事業所の小林悟科長は「基本の徹底、基礎能力のさらなる向上に取り組み、質の高い支援を目指す」を本年度の方針としました。スキルアップ、医和生会の強みを生かしたサービス提案、業務効率化、地域貢献の4本柱を重点とし「実現に向けて各専門員のスキルアップに努めていきたい」と語りました。
● まごころ、やがわせの発表
まごころデイサービスの永山由美科長は「関わる方々の思いを傾聴し、笑顔・まごころ・そして安全を大切に向き合うサービスを目指す」と本年度の方針を発表。感染対策にも力を入れて、ご利用者様の笑顔を見られるよう安全に丁寧に進めていきたいとし「みんなで協力し助け合って目標を達成したい」と抱負を述べました。やがわせデイサービスの会田陽子科長は、ご利用者様の話を傾聴する機会を増やして寄り添い、悩みがあれば解決できるようご家族やケアマネジャーとの連携を深めたいと目標。職員間の情報共有を円滑にし、医和生会ベーシックを用いて勉強会を開いて技術の底上げするなど計画を発表しました。
● ショートステイ、さらいの発表
2部署を兼務する高木めぐみ科長は、ショートステイについて、感染対策の徹底はもちろんのこと、電話対応における傾聴の姿勢、自分たちにできることの提案などに力を入れたいと発表。育成面では職員間の世代間ギャップを乗り越え、職員間の結び付きを良くし、ご利用者様に温かい支援ができるようにしたいと示しました。小規模多機能型さらいについては、「ご利用者様を笑顔にし、安全なケアをしたい」というさらい全職員の思いを共有し、実現を目指す意気込み。医和生会ベーシックを利用して技術の習得をし、新規利用者様を受け入れられるよう柔軟な考え方で人に優しい事業所づくりに努めたいと抱負を述べました。
● すばる、きらくの発表
小規模多機能型すばるの西山孝之科長は、前年度に市認知症初期集中支援チームとの連携した印象的な取り組みを共有し、医和生会ベーシックを用いて新卒職員の育成も順調に進んでいるとも。本年度も「チームすばるとして在宅療養を支援していきたい」と述べました。きらくデイサービスの矢吹美香科長は、前年度はコロナ禍でもできる行事や作業療法を話し合えたのが収穫だったと振り返り。今年は特色を生かした事業所運営や接遇を含めた資質の向上などを掲げ、ご利用者様が自身でできること、支援によってできることを意識しながら寄り添った介護をしていきたいと語りました。
● 介護・医事課、事業推進課、秘書室の発表
介護・医事課の佐藤志保美課長は、受付はクリニックの顔になるとの自覚を持ち、マスクをしても笑顔を見せて安心してもらえるよう「患者様ファーストをモットーにする」と抱負。人事業務も担う新設の事業推進課の飯塚大輔課長は、福祉業界の人材不足の現状を踏まえての「採用活動の強化」や「医療・介護の連携基盤づくり」などに取り組むと方針を述べました。秘書室の中野美奈室長は、役員の書類整理・スケジュール管理、行政関係、対外関係、法令関係を担い、新設部署での抱負を語りました。
● 宏之理事の発表
山内宏之理事は各部署の発表を聞いて「頼もしく感じた」と総括。様々な部署が存在する医和生会だからこそ「連携することでより良いサービスが提供できる」と、連携の大切さを指摘。その上で、闇雲に情報共有しても効率が悪くなるなど、どう情報共有するかの方法も大事だと述べました。「目まぐるしく変わる昨今、各部署がしっかり準備していると感じた。一歩でも二歩でも前進できるよう、みなさん頑張っていきましょう」と呼び掛けました。
<医和生会(いわきかい)の求人・採用情報>
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