新年明けましておめでとうございます。旧年中、皆様には大変お世話になりました。本年は医和生会が誕生してから30年目を迎える節目の年となり、職員一同、気持ちを新たに患者様、ご利用者様の安全安心を守って参ります。医療法人医和生会(いわきかい)の山内俊明理事長が新年に向けての抱負をインタビュー形式でお伝えいたします。本年もよろしくお願いいたします。
―昨年は医和生会にとってどういった1年でしたか?
新型コロナウイルスの感染拡大が3年目になり、予防対策の強化が必要になった年でした。強化してもご利用者様、職員の感染によって業務停止になるのを余儀なくされました。また、4月からは山内宏之医師が山内クリニックの常勤医となって診療体制も変わりました。私個人的には古希を迎えて外来診療の勤務を減らし、訪問診療を本格的に再開しました。
―久しぶりの本格的な訪問診療はいかがでしたか?
これまで外来で診察してきた患者様の年齢が90歳を超えるようになり、通院が難しくなってきたのもあって訪問診療を増やしました。山内クリニックの訪問診療は7年前に岩井淳一医師、里枝子医師にバトンタッチして以来久しぶりでしたが、「住み慣れた場所で暮らし続けたい」という患者様を支援するのは医和生会を立ち上げた当初からの目標だったので原点に戻れました。患者様とのコミュニケーションを患者様の生活の場でとることが出来て患者様とそのご家族に一層親しみを感じられるようになるとともに、在宅療養でその生活を支えてくれる多職種の方々と連携する大切さも改めて実感できました。
―今年もコロナ禍は続いています。課題は?
医療と介護をどう維持していくかです。コロナの感染予防策の考えは人によって異なります。国もコロナの感染症法上の分類を2類か5類かを検討中で、方針が示されていません。コロナに感染した高齢の患者様に一時入院を勧めても、ご家族は面会ができなくなり、『もしそのまま亡くなってしまったら後悔するかもしれない』そう思うと、判断も難しい。職員や多職種で協力し合って柔軟に変化に対応していくのが大切になります。
―今年は医和生会が設立してから30年目を迎えます。
あっという間の30年でした。40歳で開院してからほとんど大きな病気をせず、休みなく健康を維持してここまで来られたのも、これまでサポートしてくださった他院の医師も含め、職員一人ひとりが役割を果たしてくださったおかげです。皆様に感謝しています。開院当時、訪問診療に通っていた道も覚えています。介護保険が始まる前の時代で、患者様がご家族と最後まで一緒に生活できるよう手探りで支援していました。2000年に介護保険制度がスタートし、提供できるサービスも増えましたが、介護保険と医療保険は同時に利用できないなど、「医療」と「介護」は連携の難しさがあります。医和生会には多職種が所属していますので、うまく連携し、いずれは共生社会の実現にも取り組みたいです。
―今年の抱負を聞かせてください。
引き続きコロナ禍が続きますが、それでも医療、介護を守り続けていくことです。医和生会グループで協力体制を取り、患者様の安心安全を支えていきたいです。また、これまでのコロナ禍で培った感染対策を振り返り、新たな感染有事が発生した時に備えていくのも大事です。若い医師も育ってきて、徐々にバトンタッチができるように組織づくりと人材の育成もしていきたいです。