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投稿:2018年05月11日更新:2019年05月30日

309. 「相手の気持ちになって」 優しく抱っこ・いわき初のまぁるい抱っこ講座

赤ちゃんの優しい抱っこの仕方を学ぶいわき市初の「まぁるい抱っこ講座」がこのほど、いわき市労働福祉会館で開かれました。講師は一般社団法人育母塾代表理事の正看護師で、まぁるい抱っこを広めるために全国で講演している辻直美さん。辻さんは「相手の気持ちになって抱っこしてみましょう」と繰り返し伝えました。参加者は抱き方のアドバイスを実践的に受けて技と心構えを学習。自分の体より何倍も高く大きい人に抱っこされる気持ちを想像し、赤ちゃんの心地よさを抱き手が勝手に決めつけてはいないか考え直しました。

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↑「まぁるい抱っこ」を指導する辻さん(手前左)

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● 海外からも講座の依頼を受ける辻さん
講師の辻さんは、地下鉄サリン事件や東日本大震災などの現場で救急救命活動にも携わった正看護師。「どんなに泣いてる子でも3秒で泣き止み、3分で寝る まぁるい抱っこ」の著者で、まぁるい抱っこはテレビや雑誌などでも紹介されています。辻さんの講座数は年間780以上。北海道から沖縄県までの国内のほか、海外からも依頼を受けてインターネットを利用した遠隔講座も開催しています。5月6日に開かれたいわきでの講座は総合的な基礎内容で、市内の親子9組が参加しました。

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● 赤ちゃんの気持ち 肌から感じて
辻さんは肌に触れて赤ちゃんの気持ちを感じ取るコツをアドバイス。緊張すると冷えて固くなる一方、リラックスすると軟らかくなって色合いがよくなるという赤ちゃんの肌の特徴を説明しました。その上で「抱っこした時、なぜ揺らすのかな?なぜ背中をたたくんだろう?」と質問。自分よりも何倍も体の大きい人に抱えられ背中をたたかれる恐怖感を想像した参加者は「『自分がやってあげているという満足感』『自分の安心感』のためにやっている」と答え、自身の抱っこを見直しました。辻さんは「相手の気持ちに立って考えよう」「肌に触れておしゃべりしてみよう」と伝えました。

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● 「優しく力を抜いて」
参加者は2人1組に分かれてまぁるい抱っこを体感しました。骨盤底筋群を意識してお腹を出さずに胸を張るようにして立ち、M字開脚になった赤ちゃんの背中を自分の体の軸に合わせるようにして体で受け止めて抱きます。ところが抱っこする赤ちゃんが泣き暴れると気持ちが焦って「落とさないように」と反射的に力が入り、持ち上げてしまいます。その度に辻さんから「優しく力を抜いて」「(赤ちゃんが)突っ張っても力で押さえない」「命を受け止める」「片方の手で抱いて、もう片方の手でアシストする」とアドバイスを受けていました。参加したママたちは赤ちゃんが心地よい姿勢になれる抱き方を体に覚え込ませていました。泣きわめく赤ちゃんを辻さんが代わりに抱っこすると泣き止み、参加者は驚きの声を上げました。赤く軟らかくなった赤ちゃんの足に触れ、心地よさそうな気持ちを感じ取っていました。

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● 子どもを一人の人間として受け入れて
気の緩みが命にかかわる救急現場での経験もあってか、辻さんは真剣で時に厳しく指導。講座の最後には親子間の虐待や殺害事件にも触れ「思うように子どもをコントロールできないことにイライラしないで、一人の人間として向き合ってください」とメッセージ。抱っこを通して自分のためではなく相手の気持ちに立ち、悲しい事件が少しでもなくなってほしいという願いも共有しました。

【関連情報】
辻さんの公式ホームページ:http://tsujinaomi.com/

主催した「福島県まぁるい抱っこの会」のフェイスブックページ:https://www.facebook.com/f.maaruidakko/