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投稿:2018年04月13日更新:2021年05月12日

多職種連携・地域連携

292. ほぼ2人に1人がお年寄り 住民同士、「サロン」で元気を確認・いわき市小川町の山間部「江田・牛小川」

高齢化率43%のいわき市小川町の「江田・牛小川」地区では、住民が定期的に「アカヤシオサロン」を開いて互いの生活や健康を確認し合っています。同地区では「アカヤシオスマイル隊」としていわき市あんしん見守りネットワーク活動事業「高齢者見守り隊」の活動を展開しており、日ごろから住民を見守るよう意識し、異変に気付いたら区長や民生委員に連絡する体制も整っています。2017年度最後の「サロン」がこのほど、江田・牛小川集会所で開かれ、住民が栄養講話を通して健康に理解を深めるとともに、昼食を楽しみながら生活での困り事を共有しました。

● 著しい少子高齢化
人口34万人超のいわき市の中で小川町は人口約6700人。小川町内でも「江田・牛小川」地区は山あいに位置し、住民約100人が暮らしています。この地区の高齢化率は、小川町全体のより約8ポイント高い43.33%(2017年12月1日現在)。丹野高夫区長によると同地区の中学生未満の子どもは現在5歳児一人といい、少子高齢化は著しいです。それでも要介護認定率は小川町全体のより1.6ポイント低い20.51%で(2017年12月1日現在)、比較的健康なお年寄りが多い特長もあります。

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↑いわき市小川町の山間部「江田・牛小川」地区=2018年3月26日

● 「サロン」も見守り活動の一環
65歳以上などの年齢制限を設けず地域のみんなが集まれる場をつくろうと、同地区が2010(平成二十二)年度に「アカヤシオサロン」をスタートします。サロン名は、春になると地区内の夏井川渓谷に咲き誇る「アカヤシオ」に由来。市が同年度から実施する「高齢者見守り隊」の取り組みにも応じ、「アカヤシオスマイル隊」の活動も同時に開始しました。サロンは1、2カ月に1回開催。最近のメンバーは50~90代の約25人です。健康講話を聞いて体操し、昼食を一緒に楽しみます。「サロン」も見守り活動の一環で、互いの健康やほかの住民の生活具合を確認し合えます。あらためて定期的な訪問活動は行いませんが、常日ごろ近所住民へのあいさつを心掛け、異変に気付いたら区長や民生委員を通して地域包括支援センターや地区保健福祉センターなどに連絡が届く体制ができています。丹野高夫区長は「(異変の連絡は)ここ数年聞かないが、それ以前には『落ち込み』や『認知症的な問題』の相談を受けた」と話します。

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↑サロンでの低栄養予防の講話

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● 講話後に昼食 地区の困り事を共有
先月3月26日の「サロン」には21人が参加。小川・川前地域包括支援センター管理者・藤舘友紀さんの指導で、基本チェックリストを用いて心身の健康状態を確認しました。藤舘さんによる「低栄養予防」についての講話では、生活習慣病の予防として栄養を過剰に摂らないのが効果的なのは65歳くらいまでで、低栄養状態におちいりやすい特に75歳以上はタンパク質や脂質を十分に摂るのが大切だと学習。資料や動画を通して、野菜だけのような粗食の生活にならず、肉も含めたバランスの良い食事を心得ました。体操した後は、机を「口」の字に並べて会食。近況報告などしながら顔を見合わせて弁当を味わいます。丹野区長は「最近不便なことはないですか?」と参加者に質問。路肩のガードレールが弱っているという危険な場所や、谷に布団など大きいごみがいつも捨てられている話、地区に関する市職員人事の話などが聞かれました。

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↑昼食時間に住民から困り事を聞く丹野区長(右)

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● 「元気で長生き、笑いが一番」
2018年度は6、7、9、11、1、2、3月の開催を決定。閉じこもりがちの冬場も外出しようと、開催回数を増やしました。防犯防災、健康、消費生活、腰・ひざ痛対策などをテーマにした講座を予定しています。参加者は「みんなで情報交換もできるし、地区で昔あった話も聞ける」とサロンの良さを語ります。丹野区長は「(サロンのモットーの)『元気で長生き、笑いが一番』をめざして長く活動していきたい」と話していました。

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