ヘルシー料理の試食と講話で食と健康を考える教室「美腸LIFE(ライフ)」が毎月1、2回、いわき市四倉地区の西山商店で開かれています。全身を巡るきれいな血液をつくるには腸をきれいにすることが欠かせないと、市内の上級食育指導士の2人が企画。主に親子連れの参加者は多彩な健康講話や雑穀ヘルシーメニューのランチを楽しんでいます。3月の「美腸ライフ」は終活アドバイザーも講師として招いたコラボ企画で、参加者は「終活」の心得や水溶性食物繊維の効果などを学びました。
● 2016年夏からスタート
「美腸ライフ」を企画する上級食育指導士の2人は、がん予防料理教室講師の栄養士・中村寛子さんと雑穀や薬膳に詳しい看護師・西山紀子さん。健康寿命を伸ばすための食生活を伝えたいと、2016(平成二十八)年夏に始まりました。中村さんが食事講話を、西山さんが料理をそれぞれ担当。ゲスト講師も招き、これまで「睡眠」「メンタル」「ウォーキング」「ホルモン」などをテーマに開催してきました。
● コラボ企画で「終活」講話
親子17人が参加した3月29日の「美腸ライフ」では、終活支援をする「おはなし聴き屋オリーブ」(いわき市)代表で終活アドバイザーの佐藤勇一さんが最初に講話。佐藤さんは、自分らしく生きるため、家族のためにも人生の終わりを考える大切さを説きます。「身体」「財産」「葬儀」「お墓」「これからの人生」という「人生のたなおろし」をするための5つのポイントなどを説明しました。死ぬ時の後悔をまとめた書籍を引用し、最後25番目の後悔として「愛する人に『ありがとう』を伝えなかった」とあるのを紹介。エンディングノートは家族への感謝を残す思いやりノートだと話しました。参加者は最後、簡易版ノートに思いを記入しました。
● 血管内をきれいにする水溶性食物繊維
中村さんは、塩分、脂分、糖分を取り除いて血管内をきれいにする水溶性の食物繊維を紹介。酸や熱に強く血糖値を上げないという新顔の野菜「チコリ根」、インドで古くから食されている「グァー豆」、日本でカラス麦などと呼ばれる「オート麦」など具体的な食材を挙げます。「こんにゃく芋」は脂肪吸収する「グルコマンナン」を多く含む一方で、市販されている板こんにゃくにはそれが含まれていないという解説も。水溶性食物繊維は「ネバネバ、ヌルヌル」で、不溶性食物繊維は「サラサラ」というそれぞれの違いを、実物を披露して説明しました。脳が喜ぶ栄養素や食材も紹介し、大豆などのタンパク質や青魚の「n-3系脂肪酸」などを挙げました。
● 講話後はヘルシー料理を試食
講話中、雑穀エキスパートでもある西山さんが雑穀ヘルシー料理を調理。ランチの時間には、タカキビや黒米などをブレンドしたデトックスおむすび、エゴマや赤米入りの美肌おむすび、ホウレンソウのしょう油麹(こうじ)和え、ヒジキとリンゴの塩麹和えなどを盛り付けたプレートが完成。参加者が味わった後、西山さんが作り方や栄養面など今回のメニューのポイントを紹介しました。