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投稿:2018年03月27日更新:2021年05月15日

多職種連携・地域連携

280. 在宅医療推進へ 医師同士の連携密に・「いわき在宅医療ネットワーク」誕生

いわき市医師会は「いわき在宅医療ネットワーク」をつくり、在宅医の連携を密にして在宅医療を推進しています。365日24時間対応が求められる在宅医療(※)を少数の医師で取り組むには困難で、医師同士で支え合う体制を整えて市民をサポートしようというのが狙い。在宅医療の悩みを抱える市民向けの相談窓口となる医療機関リストもまとめ、公開しています。

※在宅医療とは
重度な要介護状態になっても住み慣れた生活の場で暮らし続けたい方が、そこで医療を受けられる仕組み。医師が定期訪問する訪問診療と、突発的な病状の変化に対して緊急的に訪問する往診があります。当法人山内クリニックホームページ:https://iwakikai.jp/service/#homecare

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↑「主治医意見書説明会」で関係者に「いわき在宅医療ネットワーク」を紹介した市医師会の木村副会長=2018年2月15日、いわき市のパレスいわや

● 超高齢化社会に備え 在宅医師の連携必須
超高齢化社会を迎えるに当たり、病院ではなく自宅や介護施設でお年寄りを支えていく在宅医療の充実は欠かせません。そのために在宅医師の増加が求められる一方、日曜日や深夜も対応するケースも多い在宅医療を医師1人の開業医院などが行うには困難。さらに、外科、婦人科、整形外科、眼科などの開業医や病院の連携を深めて“地域の総合病院”をつくり、専門外の患者でも専門医を紹介できる体制づくりも必要です。これらの課題を解決しようと2017年6月に市医師会の木村守和副会長が発起人となり「ネットワーク」を結成し、会を重ねて連携づくりをしています。

● 医師連携 4つのネットワーク
「いわき在宅医療ネットワーク」には2月1日現在、開業医や総合病院の医師約50人が参加。在宅医療に専門的に取り組み在宅医を援助する「在宅サポート医」、サポート医の支援を受けて新たに在宅医療に取り組む「在宅医」、整形外科・婦人科・眼科・耳鼻咽喉科などの医師が在宅医の要請に応じて往診する「連携医」、入院治療などに協力する「協力医療機関・医師」の4つのネットワークで構成されます。市医師会はこの名簿を市内の医療・関係機関に配布。在宅医療を始める上で不安のある医師や専門外の対応に悩む医師も、在宅医療ネットワークの連携によりバックアップを受けることができます。

● 「在宅医療」相談したい市民向けリストも作成
医療機関向けのネットワークとは別に、市民向けに「在宅医療」相談できる医師のリストも作成(※)。2月1日現在、平、内郷、小名浜、遠野、勿来、四倉・久之浜の計6地区の31医師が名を連ねています。市医師会はリストを関係機関に配布し、市民が在宅医療について医師に相談しやすくなるよう努めています。

※市民向けの「在宅医療」について相談できる医師のリスト
「在宅医療」について相談できる医師についてリスト (506x640)

【関連記事】
「市と市医師会が主催した昨夏の『在宅医療推進のための多職種研修会』。市内の医療・介護福祉関係者らが、いわきの在宅医療推進のための課題を話し合いました。その時に出た課題の中に『連携の取れる医師不足』『かかりつけ医と病院との連携』『在宅医不足』などがありました。この医療ネットワークは現場から出たこれら課題を解決するための一歩となるのではないでしょうか」2017年7月12日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-231.html

「およそ四半世紀前にいわき市勿来地区ですでに開業医ネットワークをつくっていた齋藤内科(現在は閉院)の院長の伝記。4回目の連載の園部さんのお話で、当時そのネットワークが存在したことが語られています。いわき市勿来地区ではかつて先進的な連携が行われていたことが分かります」:http://ymciwakikai.jp/category30-1.html