「平地区中地域ケア会議」がこのほど、いわき市文化センターで開かれました。介護が必要になる一歩手前の状態「フレイル」の予防に向け、委員が市中心地の強みを生かした平地区ならではの取り組みを実現させようと多彩なアイデアが出ました。
● 要介護認定率高い平地区市街地 「フレイル」防ごう
委員は、山内俊明会長(当法人山内クリニック院長)を含め15人(※)。前回の会議で分析した平地区内の高齢者の実態調査で、平地区内で介護認定の出現率が比較的高い「市街地」では、一人暮らしが多く、要介護状態となる前に、転倒や閉じこもりなどのリスクが高まっていることが判明。要介護になる手前の「フレイル」の状態に着目し、改善に努めることが重要であるとの認識が共有され、平地区としてできる対策を話し合いました。本年度第4回目となる今回の会議は8日に開かれました。
● 「集いの場」に来ない人、来れなくなった人 どう支援
シルバーリハビリ体操指導士の委員は「徐々に体操に来なくなる人もいる」と報告し、山内会長は「来れなくなるのは要介護状態になる入口かもしれない。『フレイル』の人を見つけてどう連絡をつなぐかが大事」と指摘。民生委員の委員は「独居のお年寄りたちに何かあれば『緊急連絡カード』を使って包括支援センターなどに連絡できるようになっている」と連携体制の存在を紹介。地域包括支援センター職員は「集いの場」に行けないお年寄りへの対応は「これからすべき課題」と認識、介護支援専門員(ケアマネジャー)の委員は「集いの場」を紹介しても行く人が少ない状況を共有しました。
● アイデア続々
介護予防のため「集いの場」の重要性を指摘する委員は、既存の「集いの場」は体操や料理教室などパターンが決まっているとし、「その地域の特長に合わせた『集いの場』づくりが必要。お酒を飲みながら講義するのもありだと思う」と既存の枠にとらわれない場づくりを訴えました。別の委員は、一生懸命努力しても年齢に勝てず参加できない人もいるのでレベルに合わせた段階的な工夫や、学ぶだけでなく公民館活動との連携、「フレイル」の概念の啓発の必要性を挙げました。「集いの場」に行く「足」の問題では、「平独自で『足』をフォローする制度をつくれないか」という声のほか、「歩ける距離でも『集いの場』に集まらない」という意見から「(必然的に集まる)薬局の待合所で開催するのはどうか」というアイデアも出ました。保育園や幼稚園と連携し園児も交えた場づくりや、市中心地の強みを生かして商業施設など人の集まる場所に「集いの場」をPRするブースの設置といった案も出ました。市地域包括ケア推進課の職員から「いごくフェス」の第2回を今秋に開催する計画の報告と、平地区中地域ケア会議とも連携して取り組みたい提案がありました。平地区市街地にあるいわき芸術文化交流館「アリオス」で開催予定で、第1回に続き集客力が期待されることから、委員からは前向きな意見が出ていました。
【関連情報】
いわき市地域包括ケア推進会議について(市ホームページ):http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000000097/index.html