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投稿:2018年03月14日更新:2021年05月11日

多職種連携・地域連携

271. 徘徊する認知症者に声掛け 根気強く丁寧に・勿来の金山地区で訓練

徘徊(はいかい)する認知症者に声掛けする訓練がこのほど、いわき市勿来地区の金山集会所で行われました。さまざまな地元団体から参加した住民らが、認知症者への声掛けのポイントを学んで徘徊者役に声掛け。何度同じ話を繰り返されても根気強く丁寧に会話し、関係機関に連絡するための情報を聞き出す練習をしました。

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↑声掛け訓練する住民(左)

● 自治会、民生児童委員、介護職員、郵便局員、警察署員ら参加
金山地区では認知症や徘徊の相談が多いため、声掛けする方法を住民に身に着けてもらい地域で見守ろうと、勿来・田人地域包括支援センターが4日に主催しました。自治会、民生児童委員、介護施設、コンビニエンスストア、郵便局、警察署、保育園、消防団など地元の幅広い団体から約40人が集まりました。地域包括支援センター職員が「驚かせない」「急がせない」「自尊心を傷つけない」という認知症者への対応の心得を説明。その後、4グループに分かれ、地域包括支援センター職員らが扮する徘徊者のいる集会所周辺の4カ所を回りました。

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↑声掛け訓練する住民(中央)

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↑声掛け訓練する住民(右)

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↑訓練後に良かった点や改善点を話し合い

● 同じ事を何度言われても急がせない
風呂を探す徘徊者役や、家に帰ろうとさまようお年寄り役らを順番に対応。赤ん坊の人形を抱いて公園のブランコに座るおばあさん役に、参加者は「いい天気ですね」とアプローチを図ります。「子どもがいない。どこに行ったんだろう」と悲しげに何度も同じ事を言われても、参加者は「一緒に探そう」「見つけたらお家に連れていくよ」などと粘り強く対応。会話を続ける中で、関係機関に連絡するために名前を聞き出そうと試みました。ほかの参加者は「しゃがんで同じ目線で話した方がいい」などと意見。財布を探している徘徊者役への対応では、参加者は同じ場所を3回も一緒に探し回り、「さっき探した」と言わずに付き合います。探し回った後に「休みますか」と尋ねて気をそらしたり、自分の名前を名乗って名前を聞き出すなどの“技”も見せていました。

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↑訓練後の反省会

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↑総括する勿来・田人地域包括支援センター管理者の野口さん

● 「あいさつの習慣大事」「ゆっくりと会話して心を開かせる」
訓練後は集会所に戻って反省会。「普段からあいさつして声掛けの習慣をつくらないとできない」「認知症の基礎知識がないと難しい」「ゆっくりと何回もしつこく会話をして相手の心を開かせることが大事」「声掛けする人すべてが認知症とは限らないので、自己紹介したのはよかった」「『家に帰りましょう』とさりげなく誘導できた」などの意見が出ていました。