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投稿:2018年03月02日更新:2023年10月11日

多職種連携・地域連携

261. 支援の介入拒否 どうする?・介護、障がい事業所関係者が研修

「介護サービスや受診の支援をしたいけど、本人が拒否して受け入れてくれない」。そのような葛藤を抱える相談支援関係者はいませんか? 「セルフネグレクトと介入拒否」をテーマにした研修会がこのほど、いわき市文化センターで開かれ、講師は「『支援しようとしているのに受け入れないのはありえない』と思わず、介入拒否を責めないで」と呼び掛けました。参加者は「拒否」を受け入れ、その理由を探りながら関係づくりに時間を掛けて合意形成に結びつける大切さを学びました。

 

● 介護・障がい施設関係者ら約90人が聴講
いわき市保健福祉課内にある権利擁護・成年後見センターが2月21日に主催。市権利擁護アドバイザーの上田晴男さんが講師を務め、市内の地区保健福祉センター、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、障がい者相談支援事業所などの職員ら約90人が出席しました。「セルフネグレクトと介入拒否」についての講話と、高齢者と障がい者の介入拒否の事例を検討する個人ワークが行われました。

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↑講師を務めた市権利擁護アドバイザーの上田さん

● 自分自身に対する不適切な怠慢 「セルフネグレクト」
上田さんは、自分自身に対する不適切な怠慢と定義される「セルフネグレクト」について説明。入浴や着替え、食事といった「セルフケアの不足」と、ごみが溜まるといった「住環境の悪化」に加え、サービスの拒否が悪化のリスクを高めると解説しました。「他者ではなく自分が行っているので虐待(ぎゃくたい)の枠組みに入ってはいないが、支援が必要なのは同じ」と上田さん。特に一人暮らしのお年寄りは「セルフネグレクト」になる可能性が高いとし、急ではなく徐々に悪化していく特徴を持つプロセスを解説しました。

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● 支援を介入拒否される3つの理由と効果的なアプローチ方法
「セルフネグレクト」の改善支援などを「介入拒否」される理由は大きく3つあると上田さんは説明。一つは、支援の意味を理解できない「認知機能の低下など」。二つ目は現状の生活に満足し自力でできると考えている「自立心の高さ」。三つ目は「対人関係が苦手」。対応のポイントは、「『拒否』を責めない」「協働のアプローチ」「孤立しない・させない」の3点。「『支援を黙って受け入れろ』という態度は『NOと言うな』と同じ」「拒否を受け止め、その理由を聞きながら関係性を築き、『手伝ってもいいですか』と一緒にやるスタンスが必要」などと説明しました。拒否を受け入れて意味を探る「拒否受容」をし、何を大事に思っているかなどの価値や感覚を知り関係性を築く「本人理解」を経て、本人のニーズや協働課題を見つける「合意形成」に至る効果的なアプローチを紹介しました。

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● お年寄りと障がい者の介入拒否事例を検討
個別ワークでは、妄想幻覚があるも支援者の受診同行を拒否する女性(90)と、ギャンブルにはまり親せきに無心しながらも金銭管理の介入を拒否する知的障がい者(29)の計2事例を検討しました。出席者は興味のある事例を選び、「課題」「支援内容」「支援方法(いつ、誰が、どのような方法で)」を考えました。知的障がい者のケースでは、代表者の発表後に上田さんが「社会的に見たら生活できていないけど、当事者的にはできていると思っている」とポイントを挙げ「当事者の力のある部分をどう共感するか」を鍵としました。当事者の自己評価を受け入れ、収入を具体的に何に使っているか、悩みはないかなどを聞いて関係づくりするといったアドバイスをしました。

 

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【関連情報】
「セルフネグレクト状態にある高齢者に関する調査―幸福度の視点から 報告書(内閣府経済社会総合研究所のホームページ)」