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投稿:2018年03月01日更新:2021年05月12日

多職種連携・地域連携

260. いわきの福祉、けん引して10周年・「地域福祉ネットワークいわき」の記念式典

いわき市の地域包括支援センターを運営するNPO法人「地域福祉ネットワークいわき」が本年度、設立10周年を迎えました。地域包括支援センターを運営するNPO法人は全国的にも珍しいです。介護相談に応えるだけではなく、医療と福祉の連携づくりや障がい者相談、お年寄りの身元引き受けをする事業などを展開し、いわきの福祉をけん引しています。記念式典がこのほど、同市のいわき芸術文化交流館「アリオス」で行われ、鎌田真理子理事長ら職員が歩みを振り返る発表などして節目を祝いました。

● 地域包括支援センター運営以外にも多彩な活動
市は2005(平成十七)年度に地域包括支援センターの設置を検討。地域の介護福祉を支える上で、中立性を保ちつつ高度なスキルを持つ専門職者の確保と活動に取り組む柔軟性が必要だと判断し、運営を委託する新たな法人設立を決めました。それで2007(同十九)年に誕生したのが「地域福祉ネットワークいわき」。地域包括ケアの推進や地域共生社会の実現が声高にうたわれる以前の2006(同十八)年に書かれた設立趣旨書には「お年寄りや障がい者をはじめとした誰もが、自らの意思により、その人らしい生活を営むことができる社会を実現する」と目的が記載されています。これまで地域包括支援センターの運営、介護予防支援のほか、東日本大震災時は仮設住宅に住むお年寄りの見守り活動も展開。また、保証人がおらず施設や公営住宅に入居できないお年寄りの身元引き受けや、障がい者相談支援、つどいの場の創出活動などに取り組んできました。

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↑あいさつする鎌田理事長

● 「福祉課題を持つ人々を網目のようなネットワークで支援」
2月17日に行われた記念式典には、市保健福祉部の高沢祐三部長や市医師会の木村守和副会長ら医療、福祉、行政の関係者が参列しました。あいさつで鎌田理事長は、経済環境や社会システムなどの変化によって将来新しい福祉課題が次々出現すると予測し、「いわき市全体の関係者や市民が福祉課題を持つ人々を網目のようなネットワークで支援できるよう、地域福祉を充実させていきたい」と今後の抱負を語りました。来賓を代表し、高沢部長と木村副会長が祝辞を寄せました。10周年を振り返る発表では、内郷・好間・三和地域包括支援センターの主任介護支援専門員・和田栄子さん、小川・川前地域包括支援センターの管理者・藤舘友紀さん、いわき障がい者相談支援センターの小名浜地域相談支援員の草野美保さん、園部義博事務局長、鎌田理事長の計5人が登壇しました。

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● 「連携」「川前地区」「障がい」の取り組み発表
和田さんは「医療と介護の連携について」と題し、医療と介護関係者の連携を促進させた「医療と在宅をつなぐ専門職会議(医在会)」(※1)の取り組み、介護支援専門員(ケアマネジャー)や介護事業所などの交流会、多職種連携の会(※2)、「ケア・カフェ」(※3)などを紹介しました。「川前地区高齢者等支援ネットワーク連絡会について」と題して講話した藤舘さんは、市最北端に位置する高齢化率45.9%の川前地区の概要を説明。過疎の中山間地での一人暮らしお年寄りを支えるための支援ネットワーク連絡会の準備から設立までの経緯を振り返り、今後は「見守り体制の把握と確認」「介護予防の周知啓発」「地区内交流促進」の三本柱で拠点づくりをしたいと語りました。草野さんは「小名浜の活動報告 これからの展望」と題し、いわき障がい者相談支援センターの活動を語りました。障がい児者小地域担当者会議の開催や障がい児者支援事業所のネットワークの立ち上げなどを紹介し、将来について、関係機関と連携した障がい児者の早期発見・支援システムや、ライフステージに沿った継続的な支援体制、ボランティアの育成などのビジョンを挙げました。

※1
「役割を終えたと判断して幕を下ろした医在会」2018年2月16日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-406.html
※2
「平地区での多職種連携の会」 2017年3月17日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-141.html
※3
「1回目のケアカフェ」 2017年6月12日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-205.html

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↑身元引き受け事業を紹介する園部事務局長

● 身元引き受け事業の紹介も
園部事務局長(※4)は「法人独自事業について」と題して講話。「自らの意思で、その人らしい生活を営める社会の実現」に向け、ニーズに対応した様々な地域資源があり、そのニーズと資源をつなぐ仕組みが機能していることが必要だと説明します。公営住宅や介護施設で暮らすための身元引き受け事業を紹介し、対象外のお年寄りや障がい者などは利用できないなどの課題も挙げました。「20周年の記念式典で、いろんなことに取り組んでいる法人でありたい」と10年後を見据えていました。

※4
「かつて『福祉三銃士』と呼ばれた園部事務局長」 2017年10月2日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-303.html

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↑外出を楽しむ認知症者の事例などを披露した鎌田理事長

● 外出を楽しむ認知症者の事例も
鎌田理事長は、ヘルプカードや情報通信技術を駆使して外出を楽しむ60代の認知症者・佐藤雅彦さん(※5)の事例をまず紹介。佐藤さんは「私は認知症です あなたの支援を必要としています」「認知症のため疲れやすいです 席をお譲り頂けると感謝です」と両面に記載されたヘルプカードを持ち歩き、電車の乗り方を忘れても周りの人に助けを求めて対応してもらいます。電車の乗り過ごし対策としてのアラームやメモ、SOSの連絡にも使える携帯電話やパソコン、タブレット端末などの効果的な利用方法も紹介。鎌田理事長は、生活が新鮮になり健康にもつながる外出の良さを挙げ「安心・安全に出掛けられる地域になれば、認知症でもより良く生きていける人が増える」と訴えました。このほか、安心して外出できる地域づくりを考えるための海外の取り組みも紹介。今後10年に向け、国内外の事例情報に触れる研究会などの場づくり、専門職間や社会資源をつなぐネットワーク強化などに取り組む目標を語りました。

※5
佐藤雅彦さんのホームページ:https://www.sato-masahiko.com/

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↑来場者には市内9つの障がい者施設でつくられた記念品が配られました。わたくしは「創造空間」(泉町下川字八合1-1)のマグカップと「ポポロ」(平下平窪二丁目1-5)のクッキーをいただきました。マグカップはオリジナルの素敵なデザインで、クッキーはおいしくいただきました。

【地域福祉ネットワークいわき】
ホームページ:http://npo-fukushinetiwaki.com/
フェイスブック:https://www.facebook.com/Npo%E6%B3%95%E4%BA%BA%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E7%A6%8F%E7%A5%89%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%81%84%E3%82%8F%E3%81%8D-198648233884509/