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投稿:2017年11月04日更新:2021年05月15日

176. 在宅医療や健康管理 市民に講演・出前講座

在宅医療出前講座「いきいきと暮らしていくために」が10月28日、いわき市の平体育館で開かれました。市医師会の長谷川徳男会長(長谷川整形外科医院の院長)、松村総合病院の二村浩史外科診療部長、平地域包括支援センター保健師の山野辺リカさんが講演。健康相談のコーナーなどもあり、来場者約50人は在宅医療や健康管理に理解を深めました。

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↑「足とロコモと骨」について講話した市医師会の長谷川会長

● 「歩けなくなったら寝たきりの第一歩」
長谷川会長は「在宅医療:足とロコモと骨の話」と題して講話。これからは往診医や訪問看護師のケアによって在宅と病院を上手に利用する「時々入院、ほぼ在宅」の療養が大切だと説明しました。足の話では、「お年寄りは歩けなくなったら寝たきりの第一歩」と注意します。気を付けてほしい「巻き爪」「陥入爪」の症状や治療方法、予防法を解説しました。さらに運動器症候群「ロコモティブシンドローム」が進行すると要介護状態になると警告。加齢、運動不足、骨粗しょう症などが原因とし、片脚立ちやスクワットの予防体操を紹介しました。最後、「市地域医療を守り育てる基本条例」と「『か・き・く・け・こ』活動」を紹介(※)。患者が医療側に「信頼と感謝」の気持ちを持ち、医療側は患者の立場を尊重し信頼関係を築くといった、お互いの役割を説明しました。


「市地域医療を守り育てる基本条例」と「か・き・く・け・こ活動」とは(市ホームページ):http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1505196310753/index.html

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↑甲状腺について分かりやすく講話した松村総合病院の二村外科診療部長

● 甲状腺の病気「できるだけ専門医に診てもらって」
「とってもわかりやすい甲状腺のお話し」というタイトルで講話した二村浩史外科診療部長。代表的な甲状腺の病気としてバセドウ氏病を挙げ、「ホルモンがたくさん作られる病気」とかみ砕いて説明。作られなくても大量にホルモンが増える病気もあり、バセドウ氏病と勘違いする医師もいるため「できるだけ専門に診てもらうのがいい」とアドバイスしました。発育や成長に欠かせないホルモンを作る甲状腺の働きや、甲状腺ホルモンの原料のヨードも解説。病気改善のためヨードを多く含むコンブを食べるのが効果的と思われますが、過剰に摂り過ぎるとホルモンを作る機能が低下すると注意しました。首のはれやしこり、声のかすれ、全身の多汗、疲れやすい、動悸(どうき)、眼球突出、筋力低下など、甲状腺の病気に関わる症状を感じたら相談するよう呼び掛けました。

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↑地域包括支援センターについて説明する平地域包括支援センターの山野辺さん

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↑講演の前段で「わたしノート」を解説した当法人山内クリニックの山内院長

● 地域包括支援センターの役割を紹介
山野辺さんは、地域包括支援センターの役割や活動を説明。場所の説明から始まり、介護予防の勉強会、集いの場に加え、デイサービス内の様子をスライドを交えて紹介しました。講演の前段で、座長を務めた当法人山内クリニックの山内俊明院長が、延命治療の意思を記すいわき市のノート「わたしの想いをつなぐノート(略称:わたしノート)」の書き方を解説。突然の事故や病気で判断できなくなる前に延命治療の意思を表示しないと、医療側は命を救おうと胃ろうや気管切開などあらゆる手段を尽くし、場合によっては本人が望まない状態になる恐れも。山内院長は「縁起でもないと言わず、掛かりつけ医や家族と相談して書いてほしい」と呼び掛けました。

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↑体成分を測るインボディ体験

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↑薬相談

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↑栄養相談

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↑福祉用具展示

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↑体力測定

● インボディ体験で健康状態を把握
65歳以上の人口が25%を超える超高齢化社会のいわき市。市民に安心した暮らしを送ってもらうには「在宅医療」に関心を持ってもらうことが欠かせず、市医師会が2014年から毎年主催。今回は最新の福祉用具の展示や、体成分を測るインボディ体験、体力測定のほか、薬や栄養、介護の相談コーナーも設けられました。インボディ体験では、来場者が「これは何?体脂肪率もばれるの?」と笑いつつ「こういう時でないとやらないものね」と測定機に乗り自身の健康状態を把握していました。市薬剤師会、県栄養士会いわき支部、県福祉用具機器推進協議会、県理学療法士会いわき支部、株式会社インボディ・ジャパン、有限会社いわき医療器械が協力しました。

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