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投稿:2019年01月08日更新:2021年05月11日

多職種連携・地域連携

484. 思い出のおもちゃ“治療”します・「おもちゃクリニック」

いわき市の「おもちゃクリニック」は、子どもたちの大切なおもちゃを“治療”しています。同市平地区のいわき芸術文化交流館アリオスで毎月1回開かれるイベント「あそび工房」でブースを置き、先月は同所で開催された子育て団体のフェアに登場。元エンジニアの“ドクター”がボランティアで、子どもたちの壊れた大切なおもちゃを生き返らせています。

● 元エンジニアがボランティアで修理
「あそび工房」の「おもちゃクリニック」は2014年12月にスタート。3人の元エンジニアがボランティアで壊れたおもちゃを修理しています。毎月3~10件ほどの依頼を受け、これまで260個以上のおもちゃを“手術”。人形の脚が折れれば骨を針金で巻き付けて固定し、車のラジコンのギアが破損すれば代用品を破損部に詰め、クレーンゲームのアームが閉じなくなればチェーンを掛け直します。100円ショップで買えるイヤホンでスピーカーを代用することも。複雑な修理が必要な場合は自宅に持ち帰って次回の「あそび工房」まで“入院”します。子どもに返す際には、修理部分を写真付きで記載したカルテも見せ、子どもからは温かいお礼のお便りも届いています。

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↑修理する「おもちゃクリニック」の院長・秋田さん(右)と副院長・山口さん

● 「どこが壊れた?」 子どもとコミュニケーション
先月はアリオスで15日に開催された「第7回こども♡あいネットフェア」でブースを設置。院長の秋田勉さん(72)と副院長の山口朝久さん(68)の2人が“診察”します。保護者ではなく子どもに「どこが壊れたの?」と尋ねてコミュニケーションを取っています。円盤型のロボットを持参してきた子どもからはそのおもちゃが掃除機で、どう動くかの説明を受けます。秋田さんはボディを外して内部を見ると「ギアが汚れて動きが悪くなっているな」と“診断”。「入院」を勧めて次回1月の「あそび工房」までに修理する約束をして子どもは帰りました。

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↑“手術”で使用する工具

● 母親の昔のおもちゃ 子どもにつなげるために
約30年前に母親が遊んでいたというおもちゃを持ってきた子どもも“来院”。そのおもちゃはキーホルダーの音が出る電卓で、秋田さんは小型ドライバーを取り出し虫眼鏡で電子部を確認すると「電池が液漏れしている」と“重症”を告げます。母親の実家でその子が見つけて興味を持ったというおもちゃ。親から子の世代まで遊んでもらえるよう、秋田さんは「難しいかもだけどサビを落としてやってみる」と次回まで預かることに。以前も来院したその子の保護者は、昔修理してもらったおもちゃがまだ動いていると伝えると、秋田さんと山口さんは充実感漂う笑顔を見せました。

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↑修理内容を記載したカルテ

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● 原因突き止め、修理のアイデアを膨らます
これまで多くの“症例”を診てきたベテランの秋田さんは、すぐに原因を突き止め修理するアイデアを膨らませます。しゃぼん玉が飛び出すピストルの不具合を見つけた秋田さんは「アイデアができた」と隣の山口さんに手渡して別の“治療法”を考えさせます。頭をフル回転させて修理方法を考える山口さんの表情は楽し気で「子どもの喜ぶ顔を見るのが一番うれしい」とほほ笑みます。秋田さんは「『好きこそ物の上手なれ』で長く続けている。元気なうちは続けたい」とやる気を見せました。

<おもちゃクリニック>
2019年1月の予定:12日(土)午後2~4時
場所:いわきアリオス

【関連情報】
「『おもちゃクリニック治療日誌』が掲載されているフリーペーパー『キッズ★アリペ(「アリオス・こどもプロジェクト」編集)』」(いわきアリオスホームページより):http://iwaki-alios.jp/cd/app/?C=freemagazine&H=list2&L=topList&F=pageCategory%3am~qoPdgzDI&SM=CM

「『おもちゃクリニック』が登場するイベント『あそび工房』を主催するいわきアリオスのフェイスブックページ」:https://www.facebook.com/iwakialios/

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「『おもちゃクリニック』がブースを設置した先月の『こども♡あいネットフェア』」 2018年12月25日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-639.html