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投稿:2019年01月09日更新:2021年05月11日

医和生(いわき)会全体 多職種連携・地域連携

485. 南相馬市の民生委員が来所・医和生会職員から「地域連携」を学ぶ

南相馬市小高区の民生委員・児童委員の一行がこのほど、いわき市好間地区の当法人グループの社会福祉法人「いわきの里」を訪れ、当法人グループの職員から「地域連携」をテーマにした講話を受けました。東日本大震災後に高齢化率50%を超えた小高区は、支援を必要とするお年寄りをどう支えていくかが喫緊の課題。民生児童委員に地域連携の大切さを呼び掛けた当法人のブログ記事(※1)を読んで講話を依頼し、訪れた民生児童委員は「地域包括ケア」構築のヒントを探っていました。

※1
「南相馬市の民生委員が当法人に講話を依頼するきっかけになった記事」 2017年7月8日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-229.html

● 22人が来所
一行22人は12月20日に訪問。講師は地域連携・企画広報課の中野美奈課長と「いわきの里」の村井弘施設長が務めました。中野課長は、医療や介護、住民の支えによって自宅や高齢者向け住宅で生活する「地域包括ケアシステム」の全体像を説明。このケアシステム推進のため、自ら介護予防に努める「自助」と地域で助け合う「互助」の力が特に大切とし、さらに社会保険を活用する「共助」、公的サービスを受ける「公助」を加えた4つの助けが必要だと語りました。さらに高齢者だけでなく、障がい者、生活困窮者らを自分の事のように考えて地域全体で支え合う体制づくりが大切で、「我がこと丸ごと」「地域共生」というキーワードを挙げました。

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↑「地域連携」をテーマに講話した村井施設長(奥左)と中野課長

● いわき市の「地域連携」の事例紹介
中野課長は、この実現に向けていわき市では、在宅医療の理解を深める「出前・市民講座」(※1)、各地区で年間を通して健康づくりを学ぶ介護塾(※2)、医療と介護関係者の交流を促進する「多職種連携の会」(※3)などが展開されていると紹介しました。医和生会も地域のため、山内俊明院長ら職員が講師として住民に健康指導や認知症講座を開いていると話しました(※4)。さらに民生委員と専門職が連携してお年寄りや障がい者を支えている実例を紹介。罵声を聞いた民生委員が医師に相談して虐待の発見につながったケースのほか、知的障がいの子と高齢の両親が生活する複雑な家庭も民生委員の見守りで支えられている例も(※5)。専門職者はケースごとに関われる時間が限られるため、小まめに見守りして関係者に様子を報告してもらえる民生児童委員がいると助かる、と話しました。村井施設長は住民と交流する施設の様子を、いわきの里の取り組み(※6)を例に紹介しました。

※1
「昨年度の在宅医療出前講座」 2017年11月4日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-327.html
「本年度の在宅医療出前講座」 2018年11月21日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-613.html

※2 いわき市の各地区で展開されている介護塾の一例
「よつくら塾」 2017年6月26日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-219.html

※3
「いわき市平地区の医療・福祉関係者が集う『多職種連携の会』」
18年度:http://ymciwakikai.jp/blog-category-38.html
17年度:http://ymciwakikai.jp/blog-category-34.html

※4
「山内院長が地域住民に健康講話」
①2017年4月19日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-165.html
②2017年6月28日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-221.html

「理学療法士が地域住民に体操指導」
①2017年7月18日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-238.html
②2017年10月19日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-318.html

※5
「住民が要支援者を支えている例が共有されたいわき市飯野地区の地域ケア会議」 2018年7月10日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-514.html

※6
「いわきの里の取り組み」:http://ymciwakikai.jp/blog-category-20.html

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● 地域連携のまとめ役に違い
質疑応答で参加者から、南相馬市でも医療や介護福祉関係者、行政の連携が深まってほしい期待や、医師ら専門職が地域で講演している驚きの声が出ました。「いわき市で連携が始まったきっかけは?」と質問すると、中野課長から市が積極的に医師会など専門職団体をまとめていると回答を受けます。南相馬市でのまとめ役は社会福祉協議会だといい、潤滑油となる機関の違いを認識しました。さらに「入所できない高齢者が多い。いわき市ではどうか」と質問すると、村井施設長が同様に入所待ちとなっている「いわきの里」の現状を紹介しました。南相馬市民生委員・児童委員連絡協議会の林清会長は「地域のつながりの大切さをあらためて感じて参考になった」と収穫を語りました。