「住民支え合い活動」(※1)を広げるため、住民代表者らが意見を交わす「第2層協議体」(※1)の第7回会議が7月18日まで、いわき市内各13地区(圏域)で開かれました。下船尾行政区が活動している常磐地区の会議では、相談件数が市内トップ(本年度4～6月)で、上川町行政区で活動の立ち上げが進んでいるとの報告がありました。活発な一方でサポーターから悩みの声が出て、今後の課題が共有されました。

※1　「住民支え合い活動」「第2層協議体」とは

「住民支え合い活動」は、お年寄りや子育て世代、障がい者らの困り事を住民で支える地域をつくろうと2015(平成二十七)年度から、市社会福祉協議会(市社協)が市から受託し始まりました。当初はモデル地区に指定された15行政区(第3層)が「住民サポーター」を募って、買い物、電球交換、掃除、窓ふき、話し相手、障子の張り替えといった、介護保険サービス外の生活の困り事に対応。2019年7月現在、「支え合い活動」に取り組む行政区は33に増えています(記事最後に取り組んでいる行政区紹介)。この行政区(第3層)レベルでの活動をさらに広げようと、2017(同二十九)年度に圏域レベルで議論する「第2層協議体」を各13圏域に設置。行政嘱託員(区長)、民生児童委員、介護施設職員、老人会会員らが構成員となり、圏域内の困り事と社会資源を洗い出して議論してきました。「支え合い活動」は昨年度からは市社協が独自事業として継続し、「第2層協議体」は市から受託した市社協が開催しています。

●　「社協だより」など読んで相談８件

構成員22人(※2)でつくる常磐地区の第2層協議体は7月12日、常磐公民館で開かれました。前回の協議内容(※3)の報告後、活動に関心のある行政区に出向いて立ち上げ支援するといった本年度のスケジュールが確認されました。本年度4～6月の「支え合い活動」の相談状況では、市全体で26件が寄せられたうち常磐地区は最多の8件。多かった同地区の相談者は「社協だより」を読んでの本人と、地域包括支援センターのともに3件ずつで、主な要望はごみ出しや話し相手など。構成員からは「7月に入って『つどいの場』やチラシを通して相談がきている」という声が出ました。

※2

※3

「各地区の第2層協議体の回覧。地区ごとの前回第6回会議の協議内容も確認できます(市社協ＨＰ)」：http://www.iwaki-shakyo.com/2019/06/21/2088.html

●　支援前に相談者の状況確認が必要

常磐・下船尾地区は現在、住民22人がサポーターに登録し、主に独居のお年寄りや老々世帯の20人を対象に定期訪問や買い物代行などをしています。上川町行政区で「つどいの場」から「支え合い活動」を始めようと動き出していると、事務局からの報告もありました。少しずつ住民に活動が浸透している一方、サポーターの構成員から悩みの声も。相談者が独居だと思ったら近くに元気な家族が住んでいたり、「ガラスをふいてほしい」と頼まれて駆け付けたらきれいだったりする事例が挙がり、相談者の状況を確認しながら支援の実施を検討しているとの話が共有されました。また、構成員から、活動するほかの地区と情報交換していきたいという意見も出ました。

【「住民支え合い活動」に取り組んでいるいわき市の33行政区(いわき市社会福祉協議会実施・2019年7月現在)】
平地区：城山、鎌田
小名浜地区：玉川町西区、永崎地区、玉露1・2区
勿来地区：南台1・2区、関田(新規)
田人地区：入旅人大字区、石住(新規)
常磐地区：下船尾
遠野地区：上根本、東山行政区、入定、下滝行政区、関屋・落合、以下は新規で西根、前田、深山田、上遠野①、上遠野②
内郷地区：高坂9区、高野町(新規)
好間地区：田代・沼平、以下は新規で北の2区、椎木平
三和地区：上市萱
四倉地区：新町、梅ヶ丘南
久之浜地区：西町1区
小川地区：塩田、山ノ入・淵沢
川前地区：山下谷、沢尻(新規)

【関連情報】

「住民支え合い事業とは(市社協ＨＰ)」：http://www.iwaki-shakyo.com/jigyo/koureisya-fukushi/%e4%bd%8f%e6%b0%91%e6%94%af%e3%81%88%e5%90%88%e3%81%84%e4%ba%8b%e6%a5%ad.html

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