医療、福祉関係者が交流する「平在宅療養多職種連携の会」がこのほど、いわき市平地区のいわき平競輪サイクルシアターで開かれました。須田医院の医師・大友貴史副院長が「老年病学~高齢者の病気の特徴」と題して講話し、参加者は「日本人の死因」や「老年症候群」に理解を深めました。
● 死因「老衰」3位に上昇
「連携の会」は7月18日に開かれ、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)、リハビリ専門職、行政関係者ら約40人が集まりました。「日本人の死因」の話題で大友副院長は、死因の1位、2位はそれぞれ悪性新生物(がん)、心疾患(高血圧症を除く)で長年変わっていないが、去年のデータ(※)で「老衰」が3位に上昇したと近年の特徴を解説。個人の意思や生活の質(QOL)を重視したケアが行われるようになっているほか、誤嚥性肺炎での死亡も診断書に「老衰」と書く医師が増えているようだ、と背景を説明しました。「肺炎」で亡くなる人の97%は65歳以上という、高齢者の死因の特徴も挙げました。
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「平成30年人口動態統計月報年計」(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/index.html
● 原因複雑 「老年症候群」
加齢によって診療や介護などを要する症状・徴候の総称をいう「老年症候群」には、「めまい」「息切れ」「動悸」「転倒」「骨折」「言語障害」など50の症状・徴候があると解説。この症候群の原因は生理的と病的の老化が混在しています。50の症状・徴候には「難聴」「認知機能低下」が含まれますが、生理的老化で難聴になり外的刺激が少なくなって認知症につながる例があるとしてその原因の複雑さを説明しました。そのほか、「老年症候群」に含まれる4症状を解説。大友副院長は様々な専門職が集まって情報交換できる「多職種連携の会」の意義に触れ「今後も参加していきたい」と交流を呼び掛けました。
【平在宅療養多職種連携の会の記事】