皆さん、こんにちは。山内宏之です。普段は山内クリニックにて外来診療を担当しておりますが、非常勤医として、福島労災病院の循環器科に勤めており、入院患者さんを診たり、心臓カテーテル検査・治療を行ったり、急患対応もしております。
普段、私が診療している患者さんの病気で一番多いのが 【 心不全 】という病気です。皆さん、心不全をご存知でしょうか?
「心不全(しんふぜん)」ってインターネットとかで調べても、何が何だかちょっとわかりにくい病気なんです。やれ「ポンプ異常」だの「循環不全」だの「あらゆる心臓病の終末像」だの「病名じゃなくて症候群」だの書いてありますが、何が何だかやっぱりわかりません。
そこで私が普段から患者さんに説明するときは以下のように3行にまとめます。
1.何らかの心臓病が原因で
2.心臓が弱ってしまったために
3.息切れや体のむくみが生じる病気
どうでしょう?ちょっとはわかりやすくなりましたか?
ここで「何らかの心臓病」というのが「心筋梗塞」「心臓弁膜症」「心筋症」「不整脈」だったりするわけです。
さて、この「何らかの心臓病=心疾患」ですが、実は日本の死因の第2位です。第1位は「悪性新生物=癌」ですが、肺癌・胃癌・大腸癌など色々な臓器の癌を全て含んでいますので、単一臓器では「心疾患」が最も死因として多いのです。なお、世界では「虚血性心疾患」が死因の第1位です。
そして、この「心疾患」による「心不全」ですが、最近どんどん増えてきていて
【 心不全パンデミック=大流行 】 と言われています。
なぜ増えているのか?正確な原因はまだはっきりしていないのですが、
私は「 寿命の超高齢化 」が大きな原因だと思っています。心疾患は高齢になればなるほど多くなってくるんですね。私が担当している入院患者さんの平均年齢は80歳以上です。時々平均年齢が90歳を超えることもあります。これからますます「 超高齢化 」が進んできます。そして【 心不全 】もますます増えてくるでしょう。
心臓病は「付き合い方のコツ」があります。機会があればこの「コツ」についてもお話したいと思います。
(この記事を書いた人:医師・山内宏之)
山内宏之医師プロフィール
岩手医科大学医学部卒業後、竹田綜合病院にて初期研修。太田西ノ内病院、白河厚生総合病院など県内各所の基幹病院にて勤務し、平成28年より福島労災病院循環器科に勤務。山内クリニックの非常勤医として外来診療を担当していたが、令和4年4月より、山内クリニックの常勤医となる。