↑スマイルリボンの打ち合わせ=2017年7月11日、いわき市の障がい児者支援センター「エリコ」
● ママ友同士で立ち上げ
スマイルリボンは2014年12月にスタート。笠間真紀代表は出産後、主治医から「お子さんは脳の大部分にダメージを受けているので、重度の障がいが残り、寝たきりになる可能性が高い」と告げられました。育てられるか不安に駆られる中、インターネットで地元の家族会を探すも見つけられず、病院や療育施設へ通う中で同じ境遇の母親数人と知り合います。「情報交換できる会があったらいいね」とそのママ友同士で話し合うようになり、「スマイルリボン」を立ち上げました。当初5人で始まった会は、現在約20人が活動しています。
● 多彩なイベント きょうだい支援も
イベントは月1回。内容は、障がい児の育児に関する講習会、芋煮会、折り紙教室、ヨガ教室など多彩です。嚥下(えんげ)の悩みの声があれば「言語療法講座」を開催。笠間代表は「障がい児を持つきょうだいは、その悩みを家族やクラスの友達になかなか打ち明けられない」と話し、きょうだい支援にも取り組みます。夏休みイベントや芋煮会では、きょうだいにも声を掛けて気軽に話し合える仲間づくりをサポートします。16日には、いわき市主催の子育て支援イベント「いわきネウボラ」の親子ワークショップに参加し、来場者に団体をアピールしました。
↑「いわきネウボラ」のイベントで、親子ワークショップに参加した「スマイルリボン」の笠間代表=2017年7月16日、いわき市総合保健福祉センター
● 小児対象のヘルパー不足
障がい児育児に関する課題は山積だと、笠間代表は話します。例えば、人工呼吸器を24時間装着する障がい児を見守る家族のプライベート時間は、週3時間ほど。小児対象の訪問ヘルパーが不足しているのもあり、簡単に外出できないと訴えます。「母親の強みは、診察室に入れること」という笠間代表は「医療や福祉の現場で感じた患者・家族の声を行政に届けたい」とも。「スマイルリボン」は現場と行政をつなぐ役割もめざしています。
● 今後は「訪問カフェ」も
「健常者に相談しても『かわいそう』と言われ、孤独感があった」と孤立していたメンバーは「スマイルリボンに救われた」と感謝します。家族の孤立化を防ごうと現在、市内の病院に「スマイルリボン」などの団体を案内してもらえるよう働きかけています。今後について、笠間代表は「お子さんのケアで外出が難しいメンバー宅を訪問して、情報交換する『訪問カフェ』をやりたい」と語ります。「つなぐ」という想いを込め名付けられた「スマイルリボン」。悩む家族と輪を結び、笑顔を生み出しています。
【スマイルリボン】
もし障がい児育児で悩まれている方がいらっしゃれば、抱え込まずにご連絡をとってみてはいかがでしょうか。
ホームページ:http://smileribbon.com/
フェイスブック:https://www.facebook.com/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%AB-%E3%83%AA%E3%83%9C%E3%83%B3-717543591669026/
【「スマイルリボン」など子育て支援関連団体でつくる「こども♡あいネット」参加団体】
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