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投稿:2018年02月03日更新:2019年08月02日

241. 「なりたい自分になりましょう」・医師の海原さんが講演

● 多彩な一面を持つ海原さん
いわき市男女共同参画センターが1月27日に主催した「女性活躍応援セミナー」の一環。海原さんは心療内科医として活躍し、2013年11月~2014年3月には復興庁「心の健康サポート事業」の統括責任者を務めたほか、全国紙で連載も担当。さらにジャズシンガーとして活動も行い、多彩な一面を持って「なりたい自分になる」を実践しています。
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● 「自分を表現する場所を持って」
自分らしさを見つけにくい人の性格傾向として、海原さんは一つ目に「いい人」を挙げます。周りから「いい人」「協調性があるね」などと言われ、波風立てずに頼み事を断れない我慢強いタイプの人は「自分が主語になれない」と海原さん。地方に嫁ぎ姑から「いい妻」と認められようと生きた女性を例に挙げ、2年の介護を経て姑が亡くなった後「何十年も私は何をしていたんだろう」と怒り、ストレスで声が出なくなったケースを紹介。海原さんに相談していたその女性は短歌好きということから、自分の気持ちを歌で表現させ、次第に声を出せるようになったといいます。この事例から、海原さんは「自分を表現する場所を持って」とアドバイスします。
● 「『結果』ではなく『プロセス』が大事」
自分らしさを見つけにくい人の二つ目の傾向は「A(アグレッシブ)型気質」。勝ち負けにこだわり、せっかちで2つ以上の事を同時進行する人で出世しますが、結果が出ず社会から認められないと感じた時に「自分らしさ」に悩むといいます。海原さんは「給料、年齢、役職、体重といった『外的条件』を人生の目標にしないで」と指摘し「結果」ではなく「プロセス」の重要性を訴えます。5億円の宝くじ当選者の追跡調査で、1年経過すると感じる幸福感はアメリカ人の平均と変わらないという結果を紹介し、海原さんは「人間は持っているものが当たり前になっていき、一生お金を求めても幸せにはならない」と述べました。水の入ったペットボトルに「お酢」のラベルを貼ったらもう飲まなくなるように、「どうせ」「だって」「私なんて」などのレッテルを自分に貼るのを止め、「自分の持つ才能を見つけて」と強調。才能はコンクールなどで優勝する能力ではなく、他人から評価されなくても自身の成長を自分で満足でき、努力するのが嫌にならないことだと説明しました。DSC_9364 (640x636)
● 「自分らしさ」取り戻した海原さん
海原さんは自身が「自分らしさ」を見つけた生い立ちを振り返ります。小説家になりたかったが親から「そんなので飯が食えるか」と反対され医者の道を歩みました。医学生時代にアルバイトで新宿のクラブでジャズを歌い始めました。ドラマの主題歌を歌うまでになりましたが「いい医者」のイメージを守るため歌手を止めます。その後「いい医者でなければいけない」というストレスなどから体調を崩したといいますが、「自分を表現できる」ジャズを再び歌い始め「自分らしさ」を取り戻したといいます。
● 「人ってみんな同じは無理」
グループワークでは、参加者が人と人が分かり合う難しさを知る「流れ星エクササイズ」に挑戦。2人1組となって海原さんの指示の通りに絵を描きます。「紙の右上から下に流れ星が一つ落ちてきました」「星の下に一軒の家があります」「家の裏に木があり、てっぺんに月が見えます」などとお題が出され、参加者はお互い隠しながら描写。完成後、お互いに絵を披露し合い、星が流れる長さが違ったり、月が満月だったり半月だったり、同じ絵はないのを確認。海原さんは「人ってみんな同じは無理」と周りに合わせて生きることがいかに難しいかを説きました。さらに、目を合わせずに話を聴くことで相手を嫌な気持ちにさせるゲームも体験し、「簡単なことで人間はホッとして和んだりする」とスマイル効果を紹介しました。
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「託児サービス付きのサンドウィッチカフェ「ichi(イチ)」。多彩なワークショップも開くなど、海原さんの言う「自分を表現できる場」を見つける機会にもなるのでは」(2018年1月15日投稿):http://ymciwakikai.jp/blog-entry-383.html