支え合う地域づくりを担うリーダーを育成する「いわき医療介護学校『よつくら塾』」がこのほど、いわき市役所四倉支所で開かれました。今年4月に開講して以降、受講生は介護や健康について専門家から学んでいます。3回目の「塾」では、講師の作業療法士が「食事や運動と同様に大切」という「生きがい」をテーマに講話し、受講生は生活の改善に役立てていました。
3回目の「塾」が開かれた21日、受講生24人が出席。いわき市の介護老人保健施設「楢葉ときわ苑」施設長で作業療法士の木田佳和さんが講師を務め、「『生きがいづくり』とは」と題して講話しました。木田さんは「生活の中で、自分が実現したいと思う目標を定めることが大事」と強調。それを踏まえ、「家族のために料理がしたい」と練習で野菜を切る右手まひの患者など、「やりたいこと」に向けてリハビリする方々の写真が紹介されました。木田さんは「やりたいことのためにリハビリする人は、1年後でも満足した生活を送れている度合が高い」と、「QOL(生活の質)」という難解用語もかみ砕きながら、科学的データを基に解説。生きがいの定義も紹介しました(※1)。その後、受講生は、1日の生活を振り返り、義務、願望、価値、楽しみの4項目で自身の一つ一つの作業を見直し、自分にとっての生きがいは何かを自己分析。木田さんは、学者の言葉を借り「達成したいという目標は、長生きに貢献する」「目的意識は、アルツハイマー型認知症のダメージから脳を守る」と、「生きがい」の重要性を訴えました。※1. 木田さんが解説されました生きがいの定義をまとめさせていただきました。年齢に関係なく、ご自身の「生きがい」は何か。充実した生活を送れるよう、この定義に当てはまるものはないか自己分析し、生きがいを見つけてみてはいかがでしょうか。
● 受講生35人、年間12回の講座
「よつくら塾」は四倉・久之浜大久地区中地域ケア会議が主催。去年は2回開講して好評だったため、今年は年間を通して学べるプログラムを編成して4月に開講しました。受講生は30~80代までの平均73.9歳の35人で、月1回計12回の授業を受けます。講師陣は、医師、薬剤師、看護師、理学療法士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、管理栄養士、歯科衛生士ら。健康づくりや認知症、口腔ケア、訪問看護などに理解を深めます。