いわき市地域包括ケア推進課が、認知症で悩む住民らの交流の場を設けようと2015年に開設。「以和貴」の名前には、聖徳太子が制定した十七条憲法の第一条「和を以って貴しとなす」に由来し、住民らが仲良く調和できる環境をつくるという思いが込められています。市の担当者によると、参加者は毎月平地区住民15~20人ほどで、年齢層は40代から最高齢は89歳。相談員として、市内で活動する傾聴ボランティア「みみ」のメンバー2人や、元看護師もボランティアで参加しています。
今月「以和貴」が開かれた3日、午前11時ごろには住民10人ほどが交流していました。飲み物やお菓子を出すカウンターも設置され、参加者はコーヒーを飲んでひと休み。認知症予防にも役立つ折り紙を楽しみながら会話したり、傾聴ボランティアに日ごろの思いを話したりしていました。毎月参加している女性(89)は、「にぎやかで楽しいです。ケアマネジャーや元看護師など色々な方のお話が聞けて新鮮で、教わることも多いです」と話していました。
このような地域交流の場所づくりを検討している当法人地域連携室の中野美奈さんは「法人の基本方針は、地域との信頼関係を築き、社会に役立つ法人を目指すこと。今後、さらに地域貢献していくためにも、医和生会として、老若男女問わず地域の方が自由に集えて語れるような場所を提供できないか模索したい」と、話しています。
オレンジカフェ以和貴はスカイストアで毎月第一金曜日、午前11時から午後3時まで。参加費は無料で、飲み物代は100円。