↑小幡さん
日中はにぎやかだが、静まり返るホール―。午前8時15分、小幡さんが出勤しました。朝礼後に多くのスタッフが送迎へ向かう中、「当日では遅いので」と明日来所する利用者の資料を準備していました。この日8日の利用者は計28人。午前9時ごろに送迎車が帰ってくると、利用者を車から席まで誘導します。転倒しないように車から降りる利用者を支え「おはようございます!」と元気にあいさつ。手を取って席まで誘導すると、お茶を出し、体温測定などのバイタルチェックをします。「体調の変化に気付くためにも、あいさつや会話は欠かせない」と小幡さん。風邪をひきやすい利用者には「最近寒いですけど、体調はいかがですか?」などと声を掛けます。利用者とスタッフに明るいあいさつや会話が飛び交い、ホール内は活気が出てきました。
● リハビリ介助
ラジオ体操を終えた午前10時半ごろ、リハビリがスタート。平行棒や足の筋力を鍛えるマシンを使って、利用者ごとに決められた運動を事故なくこなせるように介助します。小幡さんは、平行棒をつかみながら歩く利用者に「顔を上げて」「まっすぐですよ」と、優しく声掛け。マシンを使う利用者から「家にこのような機械がないから運動できない」と言われれば「この機械で鍛える筋肉は、家でも鍛えられますよ」と、その運動方法も紹介していました。
● 「敬意を持って」
「お相手は人生の先輩方なので、敬意を持って接しています」と小幡さん。穏やかな口調で常に動きも合わせて行動しています。トイレに行きたい利用者を誘導する際も、杖を右手でついて歩く利用者には、その方の左腕をしっかり支えて一歩一歩ゆっくりと。お昼の時間には、利用者の様子に気を配り、体がうまく動かせない方には、おかずをお椀に乗せて「ゆっくり食べてくださいね」と声を掛けます。
小幡さんが休憩から戻った午後2時前、利用者はベッドやソファでひと休みしていました。小幡さんと談笑した女性利用者は「(小幡さんは)優しい。みんなから好かれていますよ」とにっこり。その後、リハビリ訓練の介助を行ったほか、レクリエーションのクイズに一緒に交じりました。
● 「感謝をいただける場所」
小幡さんは介護職歴13年。「正直、最初は介護士になろうとは思っていなかった」と語りますが、転職活動の際に介護ヘルパーの資格に興味を持ち、勉強して2級を取得しました。かつて営業マンとして成績争いが激しい業界で働いていた小幡さん。「この仕事は、感謝の言葉をいただけるのが近い場所。来所された方が『ありがとう』『会いに来たよ』と言ってくれたら、それだけでうれしい。また元気に来てほしいと思います」とほほ笑みます。
● 一日終えてホッと
歌を歌って帰りの準備を終えた午後4時20分。スタッフが「さようなら」と利用者を車に乗せ、小幡さんは送迎していきました。約一時間後に戻ってきた小幡さんは「利用者がけがなく過ごせたのでホッとしています」と安どの表情。「明日も利用者が楽しく過ごしてもらえるよう、自分のできることをやるだけです」。勤務を終えて、小幡さんは再び静まり返ったホールを後にしました。
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