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2017年09月05日

地域講演 健康・認知症関連カフェ

134. 認知症カフェ、運営のカギは「連携」「演出」・研究員招き公開講座㊦

● オランダはカフェを楽しむ学びの場
一方、オランダは夜開催が一般的。午後7時にオープンし、30分後に健康や介護に関するミニ講話が始まります。午後8時からまたカフェを楽しみ、質問コーナーを経て午後9時に解散します。矢吹さんは、オランダの特徴に「演出」を挙げます。上座、下座がなく対等に座れる円卓、ミニ講話ではスライドを使わず勉強会の雰囲気を出さない、リラックスできるオルガンなどの生演奏、ワインを出すなど。開場後は「カフェを始めます」というアナウンスはなく、バラバラに来場者が訪れ、専門職者らがテーブルに誘導。雑談中、専門職が来場者の疑問に気づいたら円卓上のメモに記し、質問コーナーで共有します。認知症のパンフレットなどが並ぶ情報コーナーもあり、介護支援専門員(ケアマネジャー)が助言。カフェの雰囲気を守り、学びの場を演出しています。

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● 年間プログラムの構成に安定感
20年以上認知症カフェが続いているオランダ。そのプログラム構成の安定感も特徴だといいます。カフェは年間で計10回開催。1回のカフェで「ウェルカムタイム」「ミニ講話」「カフェタイム」「ディスカッション(Q&A)」「解散」をそれぞれ30分ずつ行います。参加者から「歌いたい」などの要望を受けても、基本的にレクリエーションを設けず構成は変えません。レクリエーションがメーンになると、参加者の目的が歌やゲームになり、新しい人が参加しにくくなるという。マンネリ化を防ぐためには、講師やテーマを変えて工夫すると矢吹さんは解説します。このほか、多事業所による共同運営も学ぶべき点だと挙げます。1事業所での運営では、止めたら終わり、スタッフの負担増、講話の講師が限定されるなどのデメリットがあります。多事業所の運営は広報活動をより幅広く展開でき、他事業所との交流でモチベーションにもつながると、そのメリットを挙げました。

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● 認知症カフェの目的を明確に
矢吹さんは「『認知症』という名前を入れたくない」という意見には、主催者が正しく目的を理解し地域にしっかりと説明しなければならないと答えます。「認知症『の人が集まる』カフェ」ではなく、「認知症『を学び理解する』カフェ」、「認知症『になっても暮らしやすい地域をつくる』カフェ」などと、きちんと目的を明確にし、伝えなければいけません。「サロンと一緒」という誤解では、認知症カフェは認知症者、家族、専門職らが役割を外して対等に参加する学びの場と説明しました。

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↑矢吹さんが運営に携わる「土曜の音楽カフェ」のチラシ

● オランダスタイルを導入した自身の運営例
矢吹さんは、仙台市内で認知症カフェ運営に携わっています。名前は「土曜の音楽カフェ」。東北福祉大のカフェで、毎月第1土曜、午後1時半から2時間開催し、毎回70~90人来場します。内容は、音楽を聴きながらのカフェタイム、ミニ講話、Q&Aで、オランダスタイルを導入。運営は、行政、大学、町内会、地域包括支援センターなど数多くの団体が共同で行います。会場は、丸テーブル、専門職がいる情報コーナー、音楽ライブで演出。人を集めるため、半年分の講座予定を載せたチラシ、看板、ホームページでPRし、「主催者」ではなく「企画者」と出して敷居を下げる工夫も挙げました。継続するため、「カフェ」後にコアメンバーの会議を開かず、別日に開くことで、メンバー同士が顔を合わせる回数を増やし、交流を深めるといいます。さらに、会場準備で1日が終わり疲れないよう、すぐ撤収するようにします。

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↑いわき市が直轄で運営しているオレンジカフェ以和貴=2017年7月7日、いわき市のスカイストア

● 認知症カフェの3タイプ
認知症カフェを3タイプに分類します。一つは、オランダのような情報提供や学びをメーンとしたカフェ。二つ目は、特にプログラムはないが専門職の相談ができる居場所をメーンとしたカフェ。三つ目は、イギリスのような、認知症者とその家族のサポートを主に目的としたカフェ。最後、矢吹さんは、認知症カフェの目的や必要性を参加者や地域に広く浸透させることが重要とアドバイス。さらに、運営主体や方法、内容を明確にしないと長続きしないため、目的を明確にし、そのための手段、仕掛けを考える大切さも助言しました。

【認知症カフェ参考資料】
<「認知症カフェの実態に関する調査研究事業」報告書>
認知症介護情報ネットワークホームページより:file:///C:/Users/nishi001/Downloads/sh28_cafe_doc%20(3).pdf