いわき訪問リハビリ研究会の当事者講演会がこのほど、いわき市の介護老人保健施設いきがい村で開かれました。訪問リハビリで寝たきり状態から働けるまでに回復した市内の男性が体験談を披露し、入院当時の絶望的な心境や将来の夢などを語りました。
● リハビリの経過
講演会は8月28日に開催。「いきがい村」の訪問リハビリ利用者の高橋幸信さん(61)が当事者として登壇しました。最初、高橋さんを担当する理学療法士がリハビリの経過を説明。2015(平成二十七)年1月に脳出血を発症して寝たきり状態になり、リハビリ目的での訪問看護サービスなどの利用を経て、翌年夏から「いきがい村」の訪問リハビリを利用しました。理学療法士は第一印象を、表情が暗く発話が少なかったと紹介。「歩きたい」という本人の希望をかなえるために施した訓練を具体的に説明し、目標が達成されるにつれ「家族と遊びに行きたい」「仕事がやりたい」と前向きになったという変化を語りました。
● 夢は「大学講師になりたい」
車いすに乗って登場した高橋さんは、発症した当時を振り返ります。住宅会社の営業マンとして休みなく精力的に働いていた時期、コンビニで倒れて救急搬送されたといいます。家族は担当医から「良くて植物状態、車いすにも乗れないだろう」と告げられていたそうです。ベッド上で体を動かせず、体中に管を入れられ「みじめで情けなくて『人生終わった』と思った」と高橋さん。「飛び降り自殺をしたくても、体を起こすこともできない」と絶望的だった当時を振り返りました。歩けたり話できるようになったのはリハビリ職の方々のお陰だと感謝し、会場にいた支援者に何度もお礼。インターネットで住宅と営業のコンサルタントをしている現状報告と「大学講師になって営業を教えたい」「もう一花咲かせたい」と夢を語り、「こういう体でも受け入れてくれる社会になってほしい」と呼び掛けました。
【関連情報】
スキルのフリーマーケットサイト「ココナラ」に開設している高橋さんのページ:https://profile.coconala.com/users/795358
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