いわき市平地区の医療・福祉関係者らがつながりをつくる「平在宅療養多職種連携の会」が20日夜、医和生会の会議室で開かれました。亡くなった患者のケアや生き方を振り返る「デスカンファレンス」を様々な職種一堂で取り組もうという提案や、介護支援専門員(ケアマネジャー)が行っている支援の事例発表がありました。「デスカンファレンス」は来月スタートし、初回は「連携の会」メンバーのみで試み、2回目以降はメンバー以外にも地域で幅広く参加者を募る予定です。
● 多職種連携し「デスカンファレンス」挑戦へ
主に平地区の医師、歯科医、薬剤師、訪問看護師、ケアマネジャー、介護士、管理栄養士、市職員ら約35人が出席。ときわ会竹林貞吉記念クリニック内科医の松田徹院長が「地域で行うデスカンファレンス」と題して講話し、様々な職種が一体となって「デスカンファレンス」に挑戦しようと提案しました。
↑デスカンファレンスについて講話する竹林貞吉記念クリニック松田徹院長
デスカンファレンスは看取り後に行われる会議で、医療分野ではケアの質の向上が目的だが、亡くなった患者の人生を振り返り地域住民の生き方も考えるきっかけになると、松田院長は地域連携して取り組む意義を説明。過去4回参加したデスカンファレンスでの体験談を紹介後、医師だけでなく様々な職種を交えてデスカンファレンスを行えば、多彩な意見から新たな気づきが生まれると話しました。
● 初回は来月15日
デスカンファレンスは来月5月15日夜、竹林貞吉記念クリニックでスタート。本年度計4回実施し、初回は松田院長が症例を選定します。松田院長は「批判し合う会になると重い雰囲気になるので、お互いの意見を認め合うことが大切」と注意点を説明しました。初回は「連携の会」メンバー10~15人で実施し、2回目以降は幅広く呼び掛ける予定です。
● 連携の大切さ、事例で紹介
ケアマネジャーの事例発表では、医和生会居宅介護支援事業所の中野美奈科長が、地域の医療、介護、福祉が連携してお年寄りを支援している体験を披露しました。閉じこもりの80代男性が介護サービスを導入するまでの経緯では、当初、介護する妻、娘いずれも閉じこもりで面会できない状態だったといいます。そこで担当の地域包括支援センターへ連絡して情報を共有。この連携が娘との面会の実現につながり、男性は介護サービスを受け始めました。最近では、訪問診療に同行し医師を交えて家族と話をした際、デリケートな終末期の話もできたといい、多職種連携の重要性を語りました。事例発表後は懇親会を開き、出席者は交流を深めました。次回の「連携の会」は5月18日、山内クリニックで。
【「平連携の会」の「デスカンファレンス」事務局】
ときわ会竹林貞吉記念クリニックの吉川さん:0246-80-8222
【事務局】
平地域包括支援センター:http://npo-fukushinetiwaki.com/hs-taira.html