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投稿:2017年06月09日更新:2021年05月12日

多職種連携・地域連携

71. 言語障がい者の声に応えたい・いわきの”クイズ王”、言語聴覚士・大平さん

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↑トロフィーを手にする大平さん● 言語聴覚士の低い知名度 痛感
言語聴覚士は、言葉や聴覚に関する障害を持つ方へリハビリをする専門職です。大平さんは大学卒業後に福祉系の専門学校に入学し、失語症を患った祖父の影響で言語聴覚士をめざしました。その資格を取得後、2009(平成21)年にいわき市立総合磐城共立病院に初の言語聴覚士として入職し、5年間勤務。独立したきっかけは、2011(同23)年の東日本大震災。ボランティアに携わろうとしましたが関係施設から「言語聴覚士って何?必要ないです」と言われ、大平さんは「人の役に立つには、普段から地域に出て活動していることが大事」と痛感したといいます。一念発起し2014年に「ことの木リハビリステーション」を設立し、訪問言語聴覚士として活動を始めました。大平さんによると、いわき市内の言語聴覚士の人数は約20人で、人口比率でみると県内のほかの自治体と比べて低い数字だといいます。DSC_5877 (640x427)
↑白の解答席が大平さん。番組司会の谷原章介さんと一緒に記念撮影も

● 「アタック25」で圧勝
大平さんは2016年9月、朝日放送(大阪)が制作しテレビ朝日系列で放送されている長寿クイズ番組「アタック25」に出場。夫婦ペア大会の出場募集の案内をテレビで見て申し込みました。ですが、面接で「言語聴覚士がマイナーなので全国に伝えたい」と出場動機を語ったところ、プロデューサーが興味を持ち、介護福祉職大会に出場決定。クイズ歴はクイズ研究会に所属していた高校1年時のみでした。インターネットで同番組の過去3年の約150回分の放送を見て勉強。本番では、序盤で角のパネルを押さえる好スタートを切り、過去の問題も出題されて終始大平さんペースで進み、最終的にパネル13枚を獲得して圧勝しました。

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↑クイズ収録中に奥さんが持って応援していたうちわ

● お年寄りにクイズを出題
地域のお年寄りが集まるサロンにも講師として参加する大平さん。5月26日にはいわき市が主催する「小川寺小屋」で、お年寄りに認知症の予防法の講話を交えたクイズ大会を開きました。参加したお年寄り約25人を4チームに分け、この日のために作った約50問を出題。「昭和20年の小川地区の人口と現在の人口、多いのはどっち?」などのご当地問題や、世界三大珍味、都道府県に関する一般問題などを出し、参加者の脳を刺激しました。初めてクイズ大会を開いたといい「前回の寺子屋よりも参加者の反応がよかった」と大平さん。来年1月には四倉地区のサロンに参加する予定です。

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↑お年寄りに出題した手作りのクイズ問題集

● 野菜栽培にもチャレンジ
大平さんは今年野菜栽培を始めました。最近では採れたてのカリフラワーを堪能し、収穫の喜びを感じたといいます。「言語障害を患ってリストラされた方もいます。野菜栽培で就労の場を与えられないだろうか」と将来の構想も練っています。大平さんは「『言語聴覚士』の存在をもっと多くの人に知ってもらって、多くの人を救いたい」と目標を話していました。

【ことの木リハビリステーション】
ホームページ:http://kotonoki.com/station-uchigo/
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