いわき市平地区の介護支援専門員(ケアマネジャー)交流会が10日、いわき市文化センターで本年度初めて開かれました。訪問診療のニーズが高まるといわれる中、医療と介護の連携を密にしようと同地区の訪問診療医師2人を講師に招いて講話。ケアマネジャーは、眼科往診の取り組みや在宅診療に理解を深め、医師と円滑に連携を図るための質疑応答もありました。
● 人生の最期も支える眼科往診
研修のテーマは「訪問診療と介護保険の連携」。講師は、いわき市で訪問診療する松田徹医師(ときわ会竹林貞吉記念クリニック院長)と島田頼於奈医師(島田眼科医院長)が務めました。島田医師は、自身が取り組んでいる眼科往診について紹介。往診を始めたいきさつや移動手段、使用する機器、往診の注意点などについて語りました。眼科往診の長所は、介護認定は不要でいつでも診療が可能という手軽さや、1割負担で約1000円という診察代を挙げる一方、患者の病状の変化に合わせて診察頻度を調整できないという短所を述べました。「視力の低下は認知機能の低下につながる」とし「人生の最期をより良いものにするために在宅医療があるなら、眼科疾患の治療を在宅で行う意義がある」と強調していました。
● 医師とケアマネ、連携密にするには?
松田医師は、医師の視点から在宅診療の取り組み方を述べました。がんで痛みを心配する患者や認知症に悩む患者などへどう対応しているかを語り、安定した脳梗塞(こうそく)患者にはリハビリへの移行や家族の健康を、終末期患者には患者の望む終わりや家族の心のケアなどを、それぞれ考えながら診療していると話しました。このほか、地域の医療情報を把握している医療ソーシャルワーカー(MSW)への相談も勧め、患者の退院、社会復帰の援助、家族の経済的問題の解決もアドバイスしてくれると話しました。質疑応答では「担当するご利用者様の主治医を切り替えるには、どのように医師と調整すればよいか?」という質問に「家族か本人に話をして、紹介状を書いてもらうのが良い」と回答。医師とのコミュニケーション方法についての質問もあり、「約束の時間を守ること」「治療方針は聞いても問題なく、聞いてほしい」「直接会って顔を見せるようにすればより情報提供してもらえるのでは」などとアドバイスしました。
【眼科往診に取り組む島田眼科医院】
島田医師が、施設に入所すると手術をするのが難しくなるので、入所前に眼科受診することを勧めていました。いわき市内全域が往診エリアのようです。
島田眼科医院フェイスブック:https://www.facebook.com/shimadaecl?ref=hl
電話番号:0246-22-1677 (誰からの紹介かを伝えていただけるとモチベーションの向上につながるとおっしゃっておりました)