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投稿:2017年06月28日更新:2021年12月13日

山内クリニック

86. 「社会交流が大切」・山内院長、寝たきり予防の講話

医和生会山内クリニックの山内俊明院長が28日、いわき市の北白土公民館で、寝たきり予防のほか、認知症、地域包括ケアシステム、救急時のため延命治療の意思表示を記す「わたしの想いをつなぐノート」について講話をしました。来場した住民32人は、介護予防のために社会と関わりを持ち、支え合う地域をつくることの重要性に理解を深めました。

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↑講話する山内クリニックの山内俊明院長

● 要介護状態の前段階 「フレイル」とは?
山内院長は「将来に備えよう『寝たきり予防のために、今できること』」と題して講話しました。要介護、要支援になる原因として、特に、男性は「脳卒中」、女性は「骨折・転倒、関節疾患」が多いと注意を呼び掛けました。対策には、バランスの良い食事、禁煙、ひかえた飲酒、運動を挙げました。さらに、虚弱を意味する「フレイル」という用語を紹介。健康期と要介護期の間の心身が弱り始めた時期を「プレフレイル(前虚弱)」「フレイル(虚弱)」と呼ぶと説明しました。半年で体重が2、3キロ以上落ちたり、歩行速度が毎秒1メートル未満、著しい筋力低下などの場合は「フレイル」の疑いがあり、それは転倒や骨折、認知症、死亡などにつながりやすい時期だと注意しました。

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● 人と交流して「フレイル」予防
「フレイル」予防のため、山内院長は「外出して人と交流することが大切」とアドバイス。ほぼ毎日友人と会い、趣味のサークルで活動している74歳女性は2年後も健康だった一方、友人と年に数回会いサークル活動をしない73歳女性は、筋力や歩行速度が顕著に落ちたという事例を紹介しました。社会のつながりを失うと、筋力の低下、引きこもり、食欲低下、栄養不足など、ドミノ倒しのように次々と悪影響が生じると解説。社会に出て、住民同士のつながりをつくることの大切さを訴えました。

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● 認知症の早期診断 大切
「認知症」について、山内院長は早期診断の重要性を説明。重度になってからの診察では、患者は検査時に怖いなどと拒否するといいます。早い段階で病院に行くことは、信頼関係の構築につながり、重度化した際に治療をスムーズにすると話しました。短期記憶ができなくなる「アルツハイマー型認知症」の説明では、「どうして覚えられないの」と暴力をふるわないよう、「怠けて『覚えない』のではなく、脳に記憶する場所がなく『覚えられない』」と、認知症の特徴を理解してほしいと強調しました。

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● 助け合う地域 住民主体でつくりましょう
このほか、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」を紹介。「行政が勝手につくってくれるシステムではない」とし、住民が隣近所を支え合う関係を主体的につくることが大切だと話しました。支え合いが成熟した地域で、医療、介護、福祉などの連携した支援がより効果的に行え、それによって最期まで住み慣れた地域で生活できるシステムになると説明しました。このほか、救急時に体に管を通すといった本人が望まない延命処置を施されないように、「わたしの想いをつなぐノート」に、延命治療を望むか望まないかの意思を記すよう呼び掛けました。会場では「ノート」が配布され、「知り合いにも配りたい」とさらに2冊受け取った参加者もいました。主催は、北白戸地区と北白戸健康体操教室。

【わたしの想いをつなぐノートとは】
山内クリニックの家庭医・岩井里枝子医師のコラム:https://iwakikai.jp/blog/454/