● 定期的に訪問ボランティア
同高の「郷土芸能保存会」は、メンバー不足で休部の時期もありましたが、約40年続いているといいます。地元青年会の指導を受けて週1回けいこ。毎月数回、福祉施設にボランティア訪問して念仏踊りを披露しています。
● じゃんがら後は一緒に昼食
メンバーの高校生10人は9日に訪問。鐘を鳴らしながら、ちょうちん持ちを先頭にして列で登場すると、ご利用者さまは拍手でお迎え。鐘を打つ6人が3人の太鼓を囲んで周ります。「ソーレ!」「ハイ!」と掛け声を上げ、独特のリズムで太鼓と鐘を打ち鳴らします。ご利用者様は音に合わせて手拍子。17世紀中ごろから伝わるという、いわき市民にとって親しみ深い伝統の踊りを鑑賞し、涙をティッシュでぬぐうご利用者様もおりました。公演後は、高校生とご利用者様がテーブルをともにし、カレーライスを食べて交流しました。
● 17世紀中ごろから伝わる鎮魂の舞「じゃんがら」
いわき市教育委員会が発行する「いわき市の文化財」によると、じゃんがら念仏踊りは市内一円に分布する市民にとって最も親しみのある芸能。17世紀中ごろ、磐城平藩の郡奉行を務めた沢村勘兵衛の墓前で鎮魂のために舞ったのが始まりとされます。現代ではお盆の時期に新盆の家を踊って供養して回りますが、本来は各地の祭りなどにも奉納されていたようです。現在は市内に約90の伝承団体があるそうです。