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投稿:2017年08月25日更新:2021年09月27日

研修会・勉強会

128. 地域包括ケア推進へ 失敗と成功・ケア事例発表会④~地域連携室・中野さん|求人・採用・教育

医和生会グループの専門職が日ごろの看護や介護の成果を発表した21日の「ケア事例発表会」では、地域連携に関する取り組みも発表されました。医和生会の地域連携室・中野美奈さんは「医療・介護・福祉を『つなぐ』~地域共生社会の実現に向けて」と題して事例を披露。地域包括ケアシステムの推進に向けた取り組みの失敗と成功のほか、地域連携室の今後のビジョンについて、住民の「自助」「互助」促進への取り組みと、社会保障制度を必要な住民に届ける仕組みづくりを挙げました。

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↑平地区の民生委員に地域連携について講話した中野さん=2017年7月7日

● 「住民と直接顔が見える機会をつくる」
地域包括ケアシステムの推進を目的に設置された地域連携室。ことしは、医和生会のある平谷川瀬地区内の老人会「平むつみ会」や、近くの北白戸地区住民、平地区の民生委員に講話。医和生会の医師・山内俊明理事長や、介護支援専門員(ケアマネジャー)の中野さんが、健康や介護予防、地域包括ケアシステムについて語りました。さらに、医和生会職員を含む平地区の医療、介護福祉関係者らでつくる「平在宅療養多職種連携の会」有志が、在宅療養の劇を公演。草野地区の住民に、さまざまな専門職の連携によって人生の最期まで自宅で生活ができることを訴えました。中野さんは「地域住民と直接顔が見える機会を持ち、地域包括ケア推進の土台づくりをしています」と取り組みを語りました。

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● 住民と協力して準備した「教室」が成功
その取り組みは「初めから順調ではなかった」と中野さん。2014年2月、毎週土曜に「介護何でも相談会」を開催したものの相談者はゼロ。介護の専門職員を医和生会施設のサロンスペースに常駐させて地区住民の悩みを聞く企画でした。失敗の要因は、回覧板でのチラシ配布や院内でのポスター掲示のみだった一方通行の広報と、「何でも相談」というテーマのあいまいさと分析。その反省を踏まえ、参加者を医和生会周辺地区に限定し、区長らに興味のあるテーマを聞き込みして住民と対話しながら企画。それが2015年5月から1年間定期開催した「やさしい家族介護教室」です。「認知症」「介護保険」「脱水症状」「介護技術と福祉用具」などをテーマに、医和生会内外の医師や訪問看護師、介護士、薬剤師らを講師に招き、住民と専門職らが講座を通して交流しました。参加者も集まり、成功した最大の要因を、中野さんは地域住民の協力を得て準備ができた点だと考えました。

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● 住民の「自助」「互助」促進へ
地域住民とのつながりを次にどう生かすか―。今後はそのビジョンの明確化が求められるという中野さん。医療、介護、住民活動が連動してお年寄りの在宅療養を支える地域包括ケアシステムを推進するため、住民が自らケアする「自助」と、互いに支え合う「互助」の力を持つことが重要だと指摘します。さらに、有効な社会保障制度を必要な住民に届けることも欠かせず、それには相談窓口、複雑な手続きなどを専門職や行政と連携して住民に伝えることが求められます。したがって、次への目標は、住民の「自助」「互助」の力を養うため、健康管理の支援やボランティア・生きがいづくりの促進とともに、住民が社会制度の情報を進んで受け入れてもらうための信頼づくり。中野さんは「地域包括ケア推進へ向けて地域のお手伝いをし、力強いいわきをつくりたい」と抱負を語りました。

 

【ケア事例発表会の過去記事】

<2019年>

「『小規模多機能型』で自然な看取りをサポート・高山」

「在宅看取りの実践と課題・同行看護師の鈴木」

「終末期の方針に悩む家族様への支援・小林」

 

<2018年>

「『死に方を識(し)る』・山内宏之医師の基調講演」

「老老介護の患者にケア・コスモス訪問看護」

「在宅復帰を実現・小規模多機能型さらい」

「いわきの里のケアガイドライン制作プロジェクト」

 

<2017年>

「『こんにちは 家庭医です』・岩井里枝子医師の基調講演」

 

<医和生会(いわきかい)の求人・採用情報>

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