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2017年09月12日

コスモス訪問看護ステーション 終末期・終活

140. 訪問看護のターミナルケア・医和生会訪問看護師が講話

医療・介護をテーマに定期的に研修会を開く「いわきコミュニティー・ケア・ネットワーク」が11日夜、いわき市のかしま病院で開かれました。あんざいクリニックの安齋光昭院長がお年寄りの自動車運転免許返納について、医和生会コスモス訪問看護ステーションの訪問看護師がターミナルケアについて、それぞれ講話しました。

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● 長年続く「いわきコミュニティー・ケア・ネットワーク」
市内の医療、介護福祉関係者でつくるこの「ネットワーク」は2カ月に1回、勉強会を開催。今回で112回目を数え、約15年続いています。この日、訪問看護師が「訪問看護におけるターミナルケア」、安齋院長が「認知症高齢者の運転免許」と題してそれぞれ講演。来場者約50人が耳を傾けました。

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↑講話する訪問看護師

● 訪問看護の認知度「まだまだ」
いわき市訪問看護連絡協議会の会長でもある発表者の訪問看護師は、同協議会の組織について説明しました。市内13の訪問看護ステーションで構成し、定期的に合同研修会などを開催。さらに「訪問看護師1人減れば、訪問件数などに大きく影響する」と看護師を増やし育てる重要性を指摘します。「看護学生から『訪問診療は知っているけど、訪問看護は知らなかった』と言われた。まだまだ認知度が低い」と啓発活動の必要性を訴えました。

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● 患者、家族、医療者で考えの共有を
コスモス訪問看護ステーションでの実践報告では、去年と比べ看取りが増えていると説明。去年は自宅10件、施設3件だったのが、今年は8月時点で自宅12件、施設1件となり、「今まで経過を見てきた人がターミナルに入っている」と話しました。「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」という言葉を紹介し、その意味を、将来の意思決定能力の低下に備え、治療方針や価値観を患者、家族、医療者が共有しケアを計画することと説明。ACPのポイントは、元気なうちに考えを共有し、周囲と話し合うその手順を重んじ、内容変更も認める。患者が最期をどう過ごしたいかを家族で話し合うツールとして、市が発行している「私の想いをつなぐノート(通称・私ノート)」を、在宅での看取りに備える患者家族向けの案内冊子「これからの過ごし方について」(「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」発行)を、それぞれ紹介しました。

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● ACP実践の事例
ACPを実践し、患者、家族が望む最期を支援できた看護ケアとして、訪問看護師は誤嚥(ごえん)性肺炎で在宅療養を選んだ90代男性の事例を発表。訪問看護師は、介護する80代の妻や三女からその男性の考えや人生を、訪問時に聞きました。うし年生まれで牛を食べないポリシーを聞けばそれに合った食事の工夫を、「お風呂が大好き」と知れば訪問入浴を提案。夫は自宅で息を引き取る間際、妻から「私はだーれ?」と尋ねられ、「お姫様」と答えました。夫婦げんかが絶えなかったという妻は、その「お姫様」の言葉を夫からの感謝と受け止めたといいます。訪問看護にも「病院のナースコールのように対応してくれた」と評価してくれたと話しました。

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↑講話する安齋院長

● 運転免許返納のジレンマ
安齋院長は、お年寄りと自動車運転免許の返納について講話。交通死亡事故は減る一方で75歳以上のお年寄りが運転する交通死亡事故は増加していると説明します。福島県の運転免許返納率は全国40番目と低い。1位の大阪府は交通機関が発達し、免許を返納すると商店街などで買い物が割引になる特典があるシステムがあると解説。車社会の地方で免許を返納すれば買い物や通院などに影響し、引きこもる要因になりかねない問題も指摘。介護支援専門員がお年寄りに返納を呼び掛けても、タクシーを利用するには経済的負担、買い物の宅配を勧めたら外出の機会を減らし、鍵を取り上げたら利用者の決定権を奪うなど、ジレンマを紹介。交通事故は減らさねばならない一方での、地方ならではの板挟みの問題を提起しました。

【関連情報】
「私の想いをつなぐノート」解説:https://iwakikai.jp/blog/454/

「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」による冊子「これからの過ごし方について」:http://gankanwa.umin.jp/pdf/mitori02.pdf