台風19号で甚大な被害を受けたいわき市で17日、平地区では災害ボランティアセンターに100人を超えるボランティアが集まり活動を展開。1階が水没して大きな被害を受けた小川地区の小川支所では、小川・川前地域包括支援センター職員が事務所の泥はきや住民宅の訪問で奮闘。平窪地区の丘にある障がい者施設では、被災した障がい者の避難所になり、医師が定期訪問とともに視察していました。
<災害ボランティアセンター>
市社会福祉協議会近くの駐車場には災害ボランティアセンターが設置。15日に電話受付を開始し、昨日16日から活動。初日37人だったボランティアは、この日市内を中心に131人が集まりました。15班を編成。被害の大きい好間、赤井、平窪の各地区の独居や高齢者、障がい者宅を優先に16世帯を回り、家屋の水害ごみを排出する作業を行いました。
午後1時前に同センターを訪れると、この日のボランティア受け付けを終え、職員が電話対応に追われていました。応援で駆け付けた岡山県の倉敷市社会福祉協議会の職員も受け付けを手伝い。「週末は時間があるから活動したい」と尋ねる市民の姿もありました。災害ボランティアセンターの職員は「運営スタッフも少ない。地元ボランティアに電話対応をしてもらっている状態です」と昼食の時間もなく動き回っていました。昨日16日時点ですでに約200件の要請を受けているという。連日ボランティアの受付時間は午前9時から正午、活動時間は午前9時から午後3時まで。
天候により活動中止の場合もあり、詳しくは以下
※災害ボランティアセンターの案内
市社会福祉協議会ホームページ:https://www.iwaki-shakyo.com/2019/10/15/2245.html
フェイスブックページ:https://www.facebook.com/iwaki.shakyo/
<小川・川前地域包括支援センター>
2メートル10センチの浸水を受けて1階が水没した小川支所では、1階にあった小川・川前地域包括支援センターを2階に仮設置していました。午後1時半過ぎに訪問すると、管理者の藤舘友紀さんは作業着姿。近所住民が下痢という連絡を受け、保健師が訪問に出発したところでした。道路や建物に残った泥が乾燥して粉じんとなり、それを吸い込んでの感染症を懸念する藤舘さんは「住民や職員の健康が不安。乾燥したら危険」。多い問い合わせでは、他地区からの認知症の避難者が避難所や避難先の親るい宅などで落ち着かないでいる、預けられるショートステイはないか、という内容。
連日1階の泥はきと訪問活動で職員はフル稼働。支援物資も置けず、四倉の地域包括支援センターに置いてもらっている状態だという。「職員が少ない」と疲れ気味。それでも「地域住民の力がすごい。自分の地区の片づけが終わると隣の地区の手伝いにいく」と、支え合いに感動した話をして気合を入れた様子。再び1階での片付けに向かっていました。
<「エリコ」、「カナン村」>
障がい者施設が並ぶ平窪地区の丘では、島田眼科医院の島田頼於奈(れおな)医師が目の検査の定期訪問していました。障がい児者支援センター「エリコ」が障がい者の避難所になっていたため、島田医師は立ち寄って見学。地区内のグループホームなどに住む障がい者約15人が避難していました。この日の夜、市医師会や市薬剤師会も集まる市の会議に出席する予定があるといい「そこでこの様子を報告したい」と話していました。
島田医師は「エリコ」隣の指定障害者支援施設「カナン村」で施設利用者の目を検査した後、職員に避難所として利用できるか空き具合を尋ねていました。断水中の同施設は自衛隊に配水してもらっている状態で、職員は「オムツの利用者様がいるので、お風呂に入れてきれいにしてあげたいけど入れない」と嘆いていました。さらに地区内の病院が浸水被害に遭ったため、職員は「平窪地区に病院を臨時で開いてほしい」と島田医師に相談していました。
<その他>