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投稿:2019年11月21日更新:2021年05月11日

多職種連携・地域連携

712. 「介護の限界」見極め大切・市介護事業所協の認知症サポート部会

いわき市介護事業所協議会の認知症サポート部会がこのほど、市総合保健福祉センターで開かれ、事業所の垣根を越えた介護職員同士、認知症介護の困難事例を基に初めて討論を行いました。互いの事業所で行っている対策を共有したほか、アドバイザーの医師から認知症ケアの助言を受け「介護の限界」の見極めと「医療との連携」の必要性をあらためて確認していました。

 

 

● 認知症介護テーマに初の討論会

認知症サポート部会は、訪問・通所介護の事業所が連携してケア技術を高め合おうと昨夏誕生した「いわき市介護事業所協議会」内の部会。この部会には訪問・通所介護施設に加え、居宅介護支援事業所、入居施設など24事業所30人が所属しています。発足してから活動方針を検討し、9月には認知症の声掛け訓練を実施。11月12日に開かれた今回の部会には、当法人職員2人を含めた14人が参加し、認知症介護の困難事例を基にした討論会を初開催。全員が意見できるよう二重の輪になる「フィッシュボウル」方式(※)で討論し、箱崎秀樹医師(介護老人保健施設サンライフゆもと施設長)がアドバイザーを務めました。

 

※フィッシュボウル方式の討論とは(「Future Sessions」ホームページより)

https://www.ourfutures.net/session_methods/fishbowl

 

フィッシュボウル形式の討論。内側の輪にいる人が討論し、外側の輪にいる人はそれを聞く。外側の人が意見したい時には内側の輪の人と交代する

 

● 異常な行動し不眠の利用者様 職員が限界

討論では介護事業所の職員がケアに悩んだ事例を提供。緊急でショートステイを利用した認知症の方がわざと前や後ろに倒れ込み、夜は眠れずに職員が24時間付き添わなければならなかったケースを共有しました。マンツーマン対応する職員の疲弊や安全確保の観点から家族と相談し、20日ほどで退所してもらったという。参加者からは「ご家族に転倒のリスクを説明し、理解してもらった上で入居してもらっている」と自身の施設のやり方を共有し「身体拘束はできないし、転倒を絶対に防ごうとするのは大変」とも。眠れない辛さから倒れ込もうとしたのではと推測する意見や、「この状況で20日間受け入れ続けたのはすごい」「家族はその間だけでも休めた」と良かった点も挙がりました。

 

アドバイザーを務めた箱崎医師(左から2人目)

 

● 「医療」の選択肢を持って

討論後、箱崎医師はこの利用者様がうつ病の疑いがあったのではと察し、薬で落ち着かせる必要性を指摘。「介護だけで解決しようとすると疲弊する。『医療』という選択肢も持って」とアドバイスしました。2回目の討論では被害妄想のある方を取り上げ、参加者は関わり方やケアの方法を話し合い。箱崎医師の助言も受け、アプローチを学んでいました。

 

【認知症サポート部会のメンバー募集】

いわき市介護事業所協議会は認知症サポート部会のメンバーを募集しています。いわき市内の通所・訪問介護事業所の職員で、

・ほかの事業所と交流したい

・互いの事業所の認知症ケアを共有したい

・認知症ケアのスキルを高めたい

といった方がいらっしゃればぜひご参加ください。

お問い合わせは事務局の市地域包括ケア推進課まで:0246-27-8575

 

【いわき市介護事業所協議会の記事】

「結成会議と記念講演会」 2018年7月19日投稿:https://iwakikai.jp/blog/820/

「発足半年 サポート部会と各分科会の活動経過」 2019年2月14日投稿:https://iwakikai.jp/blog/644/