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投稿:2019年02月27日更新:2021年05月11日

多職種連携・地域連携

522. 空き店舗を利活用 縁をつなぐコミュニティスペースづくり・平谷川瀬地区の「エンバ」

当法人山内クリニックのあるいわき市平谷川瀬地区の住民が中心となり、空き店舗を利活用したコミュニティスペースづくりを進めています。プロジェクト名は「地域再生リノベーションプロジェクト・やがわせミクストコミュニティ『enva(エンバ)』」。高校生から70代までのメンバーで協議会を組織し、若者からお年寄りまでがつながれる場をつくろうとアイデアを出し合っています。4回目となる会議がこのほど、その空き店舗で開催。名前の由来「縁のつながる場=エンバ」を育て、少子高齢化にも負けない谷川瀬地区のコミュニティ拠点づくりが期待されます。

 

● 一級建築士が発起人 建物と周辺コミュニティの再生へ
プロジェクトの中心は建築設計事務所「ハコプラスデザイン」の一級建築士・新妻多恵子さん。子育て中の新妻さんは日々の生活で子ども会の活動の場や、点在するお年寄りの交流の場が少ないと感じていました。近所を盛り上げようと、2017年に事務所前でワークショップイベントを開催。新妻さんは「告知なしでも多くの人が集まった」と手応え。そのころに事務所隣の金庫店の廃業を知り、去年初頭、歩いて集まれる近所住民の交流の場をつくろうとゆずり受けました。その店舗は築50年の鉄筋コンクリート2階建てで、延床は110平方メートル。既存の建物と周辺のコミュニティも視野に入れた再生をテーマに、子どもからお年寄りまでの世代間交流「ミクストコミュニティ」を目指し、去年8月に協議会を立ち上げました。

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● 福島高専の教授や学生、住民らが議論
協議会の構成員は35人(2019年2月時点)。福島工業高専門学校(福島高専)の教授や学生、会津大の教授、建築家をアドバイザーにし、区長ら地区住民、都市開発に興味のある福島高専の生徒ら10~70代のメンバーで構成されます。協議会設立の目的は、若者の流出を防ぐ「帰りたいまち」、お年寄りに寄り添う「記憶をつなげるまち」、持続可能なコミュニティづくりをめざす「未来に続くまち」の再生。12月までに3回の会議を開きました。新妻さんは「運営に関わっているという実感を与えたい」と語り、具体的な利用計画、PR活動、資金調達もメンバーみんなで議論しています。

● 5月19日にイベント 内容を検討
2月15日の会議は構成員ら約25人が出席。新妻さんがエンバの目的やコンセプトを説明し、それを実現させるためのリノベーション案を発表しました。計画では1、2階に異世代が交流し楽しめるホールを設計。気軽に立ち寄れるよう通り側は大きく開放され、緑あふれるテラスなども検討、ベビーカーや車いすでも入れるスロープの設置も考えています。新妻さんは5月19日にイベント「enva(仮)」を開催する提案を示し、構成員がイベント名や内容をテーマに話し合いました。

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● 写真、料理、音楽など 思い思いにアイデア共有
イベント名について構成員からは「『ハコプラスデザイン』が関わっているのが分かるように名付けると、周知するのに説明しやすい」といった意見がありました。イベントの内容では、主に学生の構成員から「クラスでインスタにはまっている女子が多い」「カメラを買ったけど宝の持ち腐れになっている」など写真ワークショップに興味を持つ声が聞かれました。ほかにも「一人暮らしなので最近料理に興味を持った。漬物の漬け方を知りたい」「タイルに何かを描いたり、内装用に使う素材をみんなでデザインする」「日本酒を持ち寄って利き酒」「趣味のピアノを演奏したい」など、思い思いの意見が共有されました。今後は分科会を立ち上げてイベントの準備を進めていきます。

【関連情報】
「ハコプラスデザインのホームページ」:https://www.haco-pd.com/

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