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2017年12月16日

終末期・終活

207. 看取り振り返り、気付きや学びを共有・かしま病院の訪問診療部ミーティング

終末期ケアや看取りを振り返るかしま病院の訪問診療部ミーティングがこのほど、いわき市の同病院で開かれました。毎月定期的に開催され、今年一年で印象に残った看取りの事例を振り返った今回は、同病院の訪問診療部と訪問看護ステーションの医師や看護師、事務員に加え、外部からは当法人の介護支援専門員(ケアマネジャー)の合わせて17人が参加。5つの事例を通して得た気付きや学びを共有し、今後のケア改善につなげました。

● 100歳以上の超高齢者のケース
今月6日のミーティングでは、同病院の医師5人がそれぞれ語りました。100歳を超えた施設入所者の看取り事例では、夜間に不穏行動を起こすため睡眠薬で改善を試みたものの、超高齢のためか効果が出ず「医療介入より環境調整」で対応したケアが紹介されました。その入所者の80代の家族からは「わたしたちがいつまで元気でいられるか分からない」という不安の声もあり、「長寿が本当に幸せなのか」という葛藤、医療介入の限界、それでも入所者の居心地が少しでも改善できるよう家族や施設と深く話し合う大切さなどを参加者同士で共有。看取りに携わった看護師は「痛みや苦しみがなく息を引き取れたら幸せだと思うし、(その入所者は)亡くなった時の表情は苦痛を感じさせなかった」と振り返りました。

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● 欠かせない遠方に住む家族とのコミュニケーション
89歳の認知症入所者のケースからは、遠くに住む家族とのコミュニケーションも重要だという教訓を共有します。栄養摂取の処置を変更した時期に、遠方から病状説明を求めて長男が来院した際、時間が合わずに医師と面会できませんでした。それにより「事前説明がない」と長男からクレームの電話を受け、それを機にキーパーソンだった長女が話し合いの場に姿を現さなくなったといいます。介護に深く関わっていない遠くに住む家族でも話し合うことが大切だと、参加者は確認し合いました。それから話題は、将来の意思決定能力の低下に備えて患者や家族と話し合う「アドバンス・ケア・プランニング」に移り、日本で実施する上での課題などを学び合いました。

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● 難しい認知症者の意思
生活保護を受けていた70代男性の事例や、比較的裕福で家族の支えも十分な患者の事例も挙がりました。「帰りたい」と言っていた認知症の入所者の事例では、発表者は「認知症者が『帰りたい』と言っても、それをうのみにしていいのか」と、意思決定が困難な人の意見をどう判断すべきかの悩ましい意見も出ました。最後、看護師からは「在宅医療は最初の意思確認が肝心。初診の面談では時間を掛けている」と、早い段階で患者や家族の望むケアを共有している心構えを語ります。別の看護師は「看護師の勘で、家族の方々の想いが一致していないと思うこともある。イベントごとに確認して修正したい」と、在宅現場での看護師の役割も再認識していました。ミーティングは2016年6月から毎月開催されています。今後に向け、一般市民向けの研修会なども計画しています。