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投稿:2017年12月22日更新:2019年12月05日

212. 「終末期の心構え」「住まい」「介護予防」で議論・市地域包括ケア推進会議

医療、介護、予防、生活支援関係者で話し合う「いわき市地域包括ケア推進会議」が20日夜、いわき市文化センターで開かれました。超高齢化社会に備えて地域住民が互いに支え合う支援・サービスの提供体制「地域包括ケアシステム」を構築するため、主に土台となる3つのテーマに沿った市の取り組みが報告されました。地域包括ケア推進に関わる情報発信の経過や、充実した終末期を過ごせるよう「生」と「死」について家族らと考え合う機会になる「いごくフェス2018」が来年2月3日(土)に開催される計画も発表。市民の終末期の心構えや住まい、介護予防などをテーマに、委員からさまざまな意見が出ました。

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● 超高齢化社会を見すえ、市内の有識者でつくる会議
「団塊の世代」が75歳を迎える2025(平成三十七)年には、全国で約3人に1人が高齢者になり、認知症者が700万人に上ると予想されています。この超高齢化社会を見すえて国は、お年寄りたちが住み慣れた地域で自立した生活を送れるよう「医療・介護・予防・住まい・生活支援」を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築を進め、全国各自治体は「努力義務」として「地域ケア会議」を設置し取り組みが進んでいます。いわき市も2015年、「個別ケア会議」「小地域ケア会議」「中地域ケア会議」「市地域包括ケア推進会議」の主に4会議でつくる「市地域ケア会議」を設置(※1)。市内の有識者でつくる委員から意見を取り入れながら活動を展開しています。本年度の推進会議の委員は24人(※2)。今回は、「地域包括ケアシステム」を構築する上で重要な「本人の選択と本人・家族の心構え」「すまいとすまい方」「介護予防・生活支援」「医療・看護」「介護・リハビリ」「保健・福祉」(※3)に沿った取り組みを、事務局の市担当職員がそれぞれ説明しました。

※1
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3回・市地域包括ケア推進会議委員1 (640x470)
3回・市地域包括ケア推進会議委員2 (640x278)

※3
地域包括ケアの植木 (640x476)

● 終末期の心構え 「若者にも呼び掛け大事」
効果的に医療・介護支援をするためには市民一人一人が終末期をどう迎えたいかを考えることが必要とされ、その意識を高める啓発が課題の「本人の選択と心構え」では、①(直接)体験・学習と②情報媒体に関する事業に関した報告を受けました。①については、内郷・好間・三和や小名浜地区で展開されている医療や福祉の専門職が介護指導する学びの場が紹介。来年2月には、市民に終末期を楽しく考えてもらう「フェス」も開催されると発表されました。フェスでは、ケーシー高峰さんらが健康漫談で盛り上げ、元気な市民らをたたえる表彰式、終活に関する入棺体験と遺影撮影なども予定され楽しみながら体験できます。②では、元気あふれるお年寄り市民たちを紹介しているポータルサイト「igoku(いごく)」と、今月中旬に創刊したフリーマガジン「紙のいごく」の取り組みを報告しました(※4)。委員からは、「フェスでは市のリビングウィル『わたしノート(※5)』をPRして」「終末期を考えるには認知症になってからでは遅いので、若い人に呼び掛けるのは大事」などの意見が出ました。

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※4
ポータルサイト「いごく」:https://igoku.jp/

※5
「わたしノートとは」(2017年9月21日投稿):http://ymciwakikai.jp/blog-entry-295.html

● 身寄りない市民のお骨 どう対応?
孤立死や空き家問題などを考える「すまいとすまい方」については、本年度に新設された市地域ケア会議の作業部会「住まい部会設置準備会」での議論を報告。今月6日に開かれた会には、不動産関係者、葬祭業者、遺品整理の清掃業者、医療介護福祉関係者らが出席し、課題や対応策を共有。「市内には孤立死や経済的な問題を抱える市民が多い」「火葬はできてもお骨をどうするか困ることも多い」「連帯保証人や身元引受人の取り扱いは病院、診療所ごとにルールがある」といった問題が浮き彫りになりました。今後は、課題ごとに参集者を代えて対応策を深く検討するとしています。

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● 支え合う地域 「市民に大切さ認識させて」
「介護予防・生活支援」分野では、「つどいの場」(※6)の現状が報告されました。今年3月時点で「つどいの場」と参加実人数がそれぞれ340カ所、6000人だったのが、現在12月時点で397カ所、6670人に増加。前回の会議でその増加による効果が分かるよう数値化してほしいという意見を踏まえ、今回「つどいの場」に参加した2000人とお年寄り市民それぞれの平均値を調査したところ、平均介護度は前者が0.91、後者は2.14だったことが分かりました。今後は、市民有志が指導士として活躍しているシルバーリハビリ体操の成果も分かるよう、評価の方法を検討していくとしました。このほか、今秋に始まった「介護予防マネジメント支援会議」(※7)や、学校区単位で登録サポーターが買い物代行や掃除など生活支援する「住民支え合い活動」(市社会福祉協議会実施)の報告もありました。委員は「『つどいの場』に来る人は意識が高い。その参加者にもっと近所住民と連携してもらい、支え合う活動を促すべき。多くの市民に地域づくりが大事だと認識させてほしい」などの意見が出ました。「介護予防マネジメント支援会議」にアドバイザーとして参加した委員は「会議でのアドバイスが事業所で生かされているかなども見る必要がある。成果も意識して進めたい」と述べました。

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※6
「市のつどいの場創出事業」(2017年4月18日投稿):http://ymciwakikai.jp/blog-entry-164.html

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↑障がい分野の国の動きと市の取り組みを説明する市障がい福祉課の長谷川課長

● 地域生活支援拠点 「いわき式」の整備検討へ
このほか、医療・看護、介護・リハビリテーション、保健・福祉に関する取り組みも報告されました。さらに協議では、前回会議で障がい分野の意見が出たのを受け、市障がい福祉課の長谷川政宣課長が「共に生きる社会」に向けた国の直近の動きと市の取り組みを説明。全国的に地域生活支援拠点の整備が求められているとし、市も先進導入自治体の視察などを行いながら「いわき式の整備を検討していきたい」と語りました。

【関連情報】
・いわき市地域包括ケア推進会議について(市ホームページより):http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000000097/index.html

・フリーペーパー「いごく」の受け取り場所は「いごく」フェイスブックページでご確認できます:https://www.facebook.com/igoku.iwaki/