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2019年03月19日

山内クリニック 在宅診療 いわきの医療・介護の課題 地域講演

537. 救命救急センターの人材不足 実体験を語る・飯野地区出前講座で岩井医師

いわき市医師会主催の在宅医療出前講座「いきいきと暮らしていくために」がこのほど、いわき市平地区の飯野公民館で開かれ、本年度の最終講座を終えました。講演した医師3人のうち、市医療センターの救命救急センター非常勤医師でもある当法人山内クリニックの岩井淳一医師は「いわき市の救急医療事情」と題して講話。救命救急センターで実際に起こった体験を交えて市の危機的な人材不足を訴え、住民に救急車の適正利用や救急現場の理解を呼び掛けました。

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↑「いわき市の救急医療事情」と題して講話する市医療センターの救命救急センター非常勤医師・岩井医師(当法人山内クリニック)

● 本年度は8会場で出前講座
市民に市の医療の現状や健康、在宅医療について理解を深めてもらおうと2014(平成二十六)年度に在宅医療出前講座がスタート。本年度は去年10月から今年3月までの間、三和、内郷、常磐、平、久之浜、勿来、小名浜の7地区の計8会場で講座を開き、医師計18人が講師を務め、市民計約300人が聴講しました。

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● 岩井医師 勤務医不足の現状訴え
本年度の最終講座は3月2日に開かれ、飯野地区住民約30人が来場。救急医療体制について岩井医師は、帰宅可能な軽症患者を診る「一次救急」、入院や手術を要する重症患者に対応する「二次救急」、一刻を争う重篤な救急患者を受ける「三次救急(救命救急センター)」を説明。いわき市の「二次救急」を担う救急指定は5病院、交代で救急対応する輪番制は8病院あり、「三次救急」は市医療センターのみ。市の救命救急センターの常勤医不足にも言及。常勤医は救急専門医3人を含めた4人と研修医1~2人。深夜帯は医師2~3人と看護師3人で救急車だけでなく病棟も対応するため手薄になるといいます。肺炎などに関わる呼吸器内科、脳梗塞などの神経内科、主に透析患者を診る腎臓内科は常勤医不足で入院病棟を持てないという現状を伝えました。

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↑「わたしノート」を説明する当法人山内クリニックの山内俊明院長(右から2人目)

● 救急の受け入れ困難 夜勤時の体験談
岩井医師は搬送先が決まらず発車できないいわきの救急車の実状を、夜勤の実体験で紹介。ある日の夜6時半ごろに意識不明の男性が、その10分後に腹痛を訴える女性が搬送され、さらに手を骨折した女性、肺炎の高齢男性も次々運ばれました。入院の受け入れ体制を整える準備の中、夜8時ごろに2日前から熱があるという高齢女性から救急要請の電話が入りました。熱だが歩いて救急車に乗れた点から重篤な状態ではないと判断し、救急隊に輪番の病院に受け入れを頼むよう要請。だが全病院に何度頼んでも「専門の医師がいない」「満床で入院受け入れできない」「検査ができない」といった事情で搬送先を見つけられず、最終的に市外の病院に運んだといいます。搬送先が遠方だと患者と家族は自分で帰宅するため帰るのも一苦労。岩井医師は「軽症な方が救急車を利用すると人手を取られ、重症患者が命を落とすリスクが上がる」と警鐘を鳴らしました。いわき市救急救命センターの搬送の約四分の一は軽症といい、参加者に救急車の適正利用や体調不良時は日中のかかりつけ医への受診を呼び掛けました。

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↑「健康に長生きするために今、できること」と題し講話したあんざいクリニックの安斎院長

● 「わたしノート」や「認知症」の講話も
当法人山内クリニックの山内俊明院長は「わたしノートについて」、あんざいクリニックの安斎光昭院長は「健康に長生きするために今、できること~在宅医療と認知症介護について」、平地域包括支援センターの斎藤千重子さんが「地域包括支援センターが皆さんに知っていただきたいこと」と題し、それぞれ講話しました。

【関連情報】
いわきの医療を守るために市民ができること
「市地域医療を守り育てる基本条例」と「か・き・く・け・こ活動」とは(市ホームページ):http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1505196310753/index.html

【在宅医療出前講座の記事】
2018年度平地区 (2018年11月21日投稿):http://ymciwakikai.jp/blog-entry-613.html

2017年度平地区 (2017年11月4日投稿):http://ymciwakikai.jp/blog-entry-327.html