平地区中地域ケア会議(※1)がこのほど、いわき市平競輪場サイクルハウスで開かれました。委員は地域住民らが連携して生活難の親子を支援した事例を共有し、支え合う地域づくりの大切さをあらためて認識。来年度は学生など若年層を対象とした認知症講座の開催方針を確認し、内容のアイデアを出し合いました。
※1 中地域ケア会議とは
医療・介護・予防・住まい・生活支援の発展へ住民が支え合う地域づくりをめざそうと、国は2015年4月、市町村の努力義務として「地域ケア会議」の設置を法制化しました。これを受けていわき市は同年、「個別ケア」、「小地域ケア」、「中地域ケア」、全市レベルの「市地域包括ケア推進」の計4層の会議でつくる「いわき市地域ケア会議」を設置。「中地域ケア会議」は全市レベルと学校区・行政区レベルの間の中間層に位置し、地区保健福祉センターが主催。市内には7地区ごとに設置されています。
平地区中地域ケア会議の委員は、山内俊明会長(当法人医和生会理事長)を含め15人(※2)。本年度最後の会議は3月7日に開かれました。
● 認知症講座の内容 年度明けに高校側に提案
前回の会議で高校生と連携した認知症講座を開きたいという来年度計画案が出たのを受け、事務局の平地区保健福祉センター職員から市内の高校に相談した経過を報告。同校側は地域貢献と学びの機会になると前向きな反応だったと感触が伝えられ、地元の城山地区住民と定期的に交流する同高の家庭クラブの熱心な福祉活動も共有されました。年度明けに具体的な認知症講座のプログラムをあらためて同高に提案する方針を確認しました。そのほか、市内各地区の中地域ケア会議で展開されている、認知症在宅ケア講演会や「いきいき健康塾」、小学生向けの認知症声掛け訓練といった活動が共有されました。
● 地域住民らの連携支援の事例を共有
平地区保健福祉センターでは本来の係ごとの事務の他に係横断的なチーム制により地域課題の調査や個別ケース支援に関する協議等に取り組んでいます。今回この取り組みで協議された事例の中から、地域住民らが連携して要支援の親子をサポートした事例が報告されました。
● 委員から様々な意見
各委員から「この連携を通して、住民は認知症と権利擁護の理解を深められたのではないか」「こういった地域で支える好例を広く伝えた方がいい」と意見が出ました。そのほか、委員は市内の高校に提案する認知症講座のプログラムについて協議。年間を通して「認知症サポーター養成講座」「専門職による講座」、実践的な「声掛け模擬訓練」を段階的に開催する方針を確認した上で、委員からは「去年実施した『認知症声掛け訓練』を生かしてほしい」「家庭クラブと交流のある地元住民にも参加してもらってはどうか」「平地区には大学もあるので一緒にできないか」といったアイデアが出ました。各専門職が学校向けに何を講話できるか、各委員がそれぞれ持ち帰り次回会議に向けて検討することとしました。
【関連情報】
「いわき市地域包括ケア推進会議とは(いわき市ホームページより)」:http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000000097/index.html
【いわき市地域包括ケア推進会議の関連記事】
2018年度:http://ymciwakikai.jp/blog-category-39.html
2017年度:http://ymciwakikai.jp/blog-category-35.html