子どもからお年寄りまで交流できる場をつくろうと、いわき市遠野地区の上遠野小学校で「とおの山学校 今昔給食談議」がこのほど開かれました。慣れ親しんだ小学校が会場で、かつてのあだ名で呼び合った参加者は小学校時代にタイムスリップ。“児童”は体操して心地よい汗を流し、孫世代の児童と一緒に給食を楽しみました。
● 中地域ケア会議のつどいの場づくり事業の一環
常磐・遠野地区の中地域ケア会議の「健康と生きがいづくり部会」が、つどいの場をつくろうと主催。遠野地区の上遠野小は、常磐地区の「いごくBOX(ボックス)」とともにモデル会場になっています。両地区で住民や医療・介護関係者らでつくるワーキンググループがそれぞれ立ち上がり、「いろいろな世代が参加」「参加者自身も担い手」「空きスペースなど社会資源の活用」を方針にし、誰でも気軽に集える場所づくりを検討しています。遠野地区ではワーキンググループのメンバーが1月、上遠野小で保護者向けに開いている「給食試食会」を試しに開催。小学校時代の思い出話で盛り上がったため、住民に広く呼び掛け3月8日に「とおの山学校」を初めて企画しました。
● あだ名で呼び合い体操
「とおの山学校」の当日、主に70代の地元住民ら22人が“登校”。黒板やロッカーのある会議室を教室にし、参加者は輪になって小学校時代のあだ名とその由来を紹介していきます。「親分」「ミニカー」「ペコちゃん」「みどちゃん」など印象的なあだ名を披露する参加者は、先生に付けられたエピソードなどを紹介して「小学校の時を思い出した」と懐かしんでいました。体操の“授業”では、“先生”の作業療法士の本郷文子さん(サンライフゆもと)がタオルを使った運動を指導。グーにした右手で右太ももをたたき、パーにした左手で左太ももをさする動きを、「せーの」で左右反対の動きをする脳トレにも挑戦。「もしもしカメよ~ カメさんよ~」とリズムに合わせて体を動かし、校庭で運動する児童の歓声にも負けない歌声を校内に響かせていました。
● 児童と一緒に給食
ゲームを楽しんだ後は給食の時間。チャイムや献立の放送が流れます。参加者は配膳室で野菜スープ、マメの揚げ物、食パン、牛乳をトレイに乗せます。1組3人ほどに分かれ、児童の案内で1~6年生の教室に招かれました。高学年のクラスでは児童が人気お笑い芸人のネタやメガネコマーシャルのパロディを披露し、“新入生”を笑わせていました。ほかのクラスでは、児童に「いつもどんなお話するの?」「この量で足りるの?」など尋ねて交流。給食後、参加者は「吉本興業みたいだった」と笑顔。「親分」と呼ばれた参加女性は「あだ名が良かったのか、子どもたちにたくさん声を掛けられた」と人気者になり「別れ際にバイバイされた」と喜んでいました。
来年度は同小のイベントにも交じって世代間交流を楽しむ計画です。
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「つどいの場づくりの経過報告があった『常磐・遠野中地域ケア会議』」 2019年2月25日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-685.html