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投稿:2019年03月30日更新:2020年04月08日

546. 認知症地域相談窓口 2年目迎える・「内郷・好間・三和」地区で対応職員研修会

認知症者を早期発見できる地域づくりをめざしているいわき市内郷・好間・三和の3地区の「認知症地域相談窓口」が誕生し来月で2年目を迎えます。介護施設や薬局、病院に設置されたこの窓口からの2018年度相談件数は10件で、主催する同地区中地域ケア会議の担当者は「今までになかった相談経路を開拓できた」と評価。今後さらに「相談窓口」の質を高めようと、認知症を見抜く力を身に付ける対応職員の研修会がこのほど、同地区の内郷公民館で開かれました。

 

● 2018年度の相談件数は10件
「認知症地域相談窓口」は2018年4月に誕生(※1)。認知症者の早期発見や介護する家族の悩みを関係機関につなぐ役割を担い、3地区内の薬局、介護施設、病院の計34事業所(2019年3月末現在)が窓口になっています。本年度の相談件数10件のうち、主な相談者は本人からが1件、家族から5件、近所住民から2件。認知症介護の悩みの声が多く、介護保険の情報、受診、物忘れなどの相談に応えました。

※1
「認知症相談窓口の開設記念講演会」 2018年7月24日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-524.html

※2
「薬局が関係機関につないだ初めてのケース」 2018年7月6日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-511.html

● 早期発見が大事
研修会は3月20日に開催。相談窓口を担う介護施設や薬局の職員15人が出席しました。講義は内郷・好間・三和地域包括支援センター管理者・松田和枝さんが「認知症の気づきと対応方法について」、内郷・好間・三和地区保健福祉センターの白土典子係長が「関係機関との連携について」とそれぞれ題し講話しました。松田さんは2025年にはお年寄りの5人に1人が認知症になるという予測を紹介。認知症者数の増加を抑えるため、認知症になる前段の軽度認知障害(MCI)(※3)に気付くのが大切とアドバイスしました。認知症者との適切な接し方の説明後、薬局職員向けの発見ポイントを説明(※4)。同地域包括支援センターが受けた認知症の相談件数は51件(2018年度2月末時点)で、8割が認知症状が出てからの相談といい、早期発見の協力を呼び掛けました。

※3. 日常生活に支障がないため気付きにくいというMCIとは
定義は①記憶障害の訴えが本人か家族から認められている②日常生活動作は正常③全般的な認知機能は正常④年齢や教育レベルの影響のみ⑤認知症ではない。MCI時点で診断すれば回復率は14~44%という。

※4. 早期発見の8つのポイント
□何度も同じ話をしたり、同じ質問をするようになった
□頻繁に置き忘れ、探し物をするようになった(例・「保険証を出してください」とお願いしてもなかなか見つけられない)
□期限切れの処方せんを持ってくることが数回ある
□処方済みの薬をもらっていないと言い張ることがある
□洋服の選び方がちぐはぐになった(例・夏なのにコートを着る)
□身だしなみを気にしなくなった、尿臭や体臭が目立つ
□いつもお札で支払いをして、小銭が使えなくなった(例・財布の中に小銭がたくさん入っている)
□定期的に受診をしていたが、定期的に受診できなくなった

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● 迷ったら「地域包括支援センター」に連絡
「関係機関につなぐ」をテーマに話した白土係長は、認知症の相談を受けた時は「地域包括支援センター」の情報を提供するよう協力を呼び掛け。情報提供しても本人や家族の対応能力に期待ができないと判断したら、本人や家族の同意を得て「地域包括支援センター」に代わりに連絡してほしいと依頼しました。ですが、相談はなくても認知症や虐待の疑いを感じたら、本人の同意がなくても「地域包括支援センター」に相談してほしいとお願い。個人情報の漏えいになるという懸念では、虐待に関しては高齢者虐待防止法で第7条第3項により通報者は保護されるので安心して通報してほしいと説明しました。

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「ヤクルトレディも認知症相談窓口のPRに協力」 2018年9月28日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-573.html

「2018年度1回目の内郷・好間・三和地区中地域ケア会議」 2018年6月26日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-503.html