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2020年02月12日

地域の話題

757. 受け継がれる職人の技 いわきの銘菓「じゃんがら」誕生秘話

当法人医和生会(いわきかい)のあるいわき市平谷川瀬地区の株式会社「みよし」工場で生産されているいわきの銘菓「じゃんがら」。この郷土菓子は終戦間もないころ、初代社長でもある頑固な和菓子職人によって生み出されました。水を使わず練って焼いた皮にあんを挟んだ“芸術の味”は機械では作れず、今も職人の技で70年間守られています。

 

 

● 職人の初代社長 「地元の人のためにつくる」

初代社長は荒井政ヱさん。神奈川県川崎市で和菓子修行をした後、勿来で店を構えました。創業年は1949(昭和二十四)年。「地元の人のためにつくる」という想いを込め、市無形民俗文化財にも指定されている「じゃんがら念仏踊り」をモチーフに看板商品の創作に着手しました。水を使わずに小麦粉、全粉乳、卵を練って焼き上げる皮はじゃんがらの太鼓をイメージし、独特な食感は重厚。その皮に小倉あんを挟んで表面に「すり蜜」を塗るという、ほかにはない和菓子を生み出しました。ですがまんじゅう1個10円という当時、この新商品の価格は30円。世間からは「高くて売れないだろう」という声も多く聞かれたといいます。それでも荒井さんは「味が良ければ売れる」と頑固一徹に販売。すると前評判を覆して飛ぶように売れたという。後に事業をさらに拡大させようと拠点を平に移しました。

 

当法人近くの「みよし」

 

● 機械でできない職人技

「みよし」には荒井さんの職人気質を伝える「伝説」のエピソードも語り継がれています。工場には毎日足を運んで味が納得いかないと全て破棄。徹底した現場主義者で、常にトイレまですべてきれいにしていたといいます。生産は現在では一部機械化されましたが、職人技でないとできない工程も。水を使わない練り上げや、季節や湿度ごとに変える微妙な焼き加減の調整などは手作業。粉雪のような白い点々を皮に描く「すり蜜」を塗る工程は、機械化が検討された時期もありましたがベタ塗りになるため導入せず、今も職人がはけで仕上げています。こうした技は今も伝承され、当時の作り方を守っています。

 

 

 

● 今も主力商品

「じゃんがら」は1955(昭和三十)年、今では1世紀以上続く「全国菓子大博覧会」で最高賞の「名誉総裁賞」も受賞。近年もJR東日本水戸支社主催の「おススメの逸品」金賞に選ばれるなど、これまで数々の賞を受けています。印象的な包装紙のデザインは郷土の版画家による「じゃんがら念仏踊り」の作品です。「じゃんがら」は今も「みよし」一番の主力商品として店頭に並び、広報担当者は「試行錯誤で生まれた郷土のお菓子をこれからも守り続けるとともに、全国へ発信できればと思います」と話していました。

 

【みよしホームページ】

http://j-miyoshi.jp/

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