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投稿:2020年03月04日

771. 医療的ケア児 支援をみんなで考えよう・医ケアCafe

医療的ケア児の地域支援を考える「医ケアCafé(カフェ)」がこのほど、いわき市総合保健福祉センターで開かれました。毎日24時間体制で支援しているご家族の生活事例の発表やグループワークを通して、参加者は医療的ケア児をどう支えていくかを考えました。

 

● 医療的ケア児とは?

医療的ケア児は、日常生活でたん吸引や経管栄養、酸素吸入など生きるために必要な医療的援助を受けている子。以前なら出産直後に亡くなっていたような超未熟児らが医療の発達で助かるようになり、医療的ケア児は増加傾向にあるといいます(※1)。ですが支援する施設は少なく、毎日24時間付き添い続けなければならない家族の負担は大きいです。支援事業所を増やすためにも多くの方々に理解を深めてもらおうと、いわき市障がい福祉課が事務局を務める市地域自立支援協議会児童・療育支援部会の「医療的ケアを伴う障がい児の在宅生活支援プロジェクトチーム」が2月24日に主催。中通り地方や相馬市、新地町も含めた障がい福祉事業所の職員、看護師、理学療法士、保健師、保育士、支援学校教諭、医療的ケア児の家族ら約90人が参加しました。

 

※1

「医療的ケア児とは(全国医療的ケア児者支援協議会ホームページより)」:http://iryou-care.jp/about/

 

● 医療的ケア児と家族の事例を共有

毎日24時間付き添いが必要な医療的ケア児の支援事例を、いわき市平地区の指定障害福祉サービス事業所の「なないろくれよん福祉センター」(※2)のスタッフが紹介。「本人と家族の気持ちを知ろう~Y君の生活を知る」と題して発表しました。生まれてすぐに低酸素脳症となったY君は現在小学生で、人工呼吸器を常に使用し寝たきりの生活を送っています。深夜~未明の時間帯も含めた2時間おきに「おむつチェック」「たん吸引」が必要だという1日のスケジュールも共有。仕事後にたん吸引やY君姉妹の世話をする父、日中は介助のほか家事も担う母、「小さいおかあさん」として手伝う姉妹の役割分担を紹介しました。

 

※2

「なないろくれよん福祉センターの事業所紹介(厚生労働省ホームページより)」:http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/07/index.php?action_kouhyou_detail_001_kihon=true&JigyosyoCd=0770403764-00&ServiceCd=110

 

 

● 生きていてくれてありがとう

Y君は支援学校の訪問学級に所属し、自宅で週2回、教諭から音楽リズム学習や図工などを教わっている様子も伝えられました。母が買い物や姉妹のお迎えなどするため、たん吸引もできる「居宅介護(ヘルパー)」のサービスを週6日、1日3時間ほど利用。小児科医や訪問看護師、理学療法士による定期訪問での体調管理、リハビリ、訪問入浴のサポート、家族会による制度外支援が紹介されました。父と母からの各メッセージ朗読もありました。母は「元気に生んであげられなかった」と自分を責めた事や、「もう限界かも」と何度も投げ出そうとしたかつての心境を吐露しながらも、Y君のお陰で多くの人と出会えた喜びや周囲の支えとY君が生きていてくれる事への感謝が読み上げられました。

 

● グループワークで課題を共有

8グループに分かれた意見交換も行われました。「Y君の事例の感想」では、姉妹の支援は十分か、災害時に避難できるのか、医療的ケア児の実態調査の必要性、「自分の事として考えるきっかけになった」といった声が聞かれました。離職率が高いヘルパーの現場の負担軽減の課題や、級友と触れ合うためにも通学の移動手段を考える重要性も共有。「できそうな事、やってみたい事」の意見では、公民館長のいたグループから公民館で近所住民向けに福祉教育を行い「自分の地域に医療的ケア児がいる」と知らせる、父親を支援するための会をつくる、といったアイデアが出ていました。

 

<グループで出た意見>

 

 

 

 

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