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2020年03月21日

地域連携

781. 「訪問」やりたい、けど人不足・平包括の薬局アンケート結果

高齢化社会で地域包括ケアシステムにおける薬局の役割に注目が集まる中、平地域包括支援センターが在宅医療や多職種連携に関する薬局への調査結果をまとめて関係者に共有しています。結果ではいわき市平地区の薬局の半数が訪問実績がなく、大半が「多職種連携が図られていないと思う」と回答したことが分かりました。「訪問」に取り組みたいという熱意や焦りがある一方、個人店では日中店を空けられないなど人員面や業務多忙の課題が浮き彫りに。平地域包括支援センターの担当者は、地域に出て活動したい、多職種との連携を進めていきたいという意識を確認でき「積極的に連携を呼び掛けたい」とし、地域包括ケアシステムの構築に向けた仕組みづくりを考えています。

 

平地域包括支援センターの職員がアンケート結果を専門職に報告した平在宅療養多職種連携の会=2020年1月16日・いわき市

 

● 薬局の役割 「門前」から「地域」へ

寝たきりなど外出できないお年寄りの増加が予想される中、薬局は従来の病院の「門前」で患者を「待つ」から「地域」の患者宅や施設に「訪問」する役割に変わる期待が高まっています(※1)。訪問する薬局が増えれば、複数の病院から処方される多くの薬の管理や、飲み忘れ、副作用などの心配を抱える外出困難なお年寄りの服薬管理支援が進み、医療、介護関係者と連携が取れれば患者はより質の高いケアを受けることができます。

 

※1

「厚生労働省の『患者のための薬局ビジョン』」:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000102179.html

 

● 平地区の55店回答

そのような社会背景の中、いわき市平地区の薬局の、多職種との連携及び在宅医療、相談窓口機能などの実情を把握し、地域包括ケアシステム構築の一助とすることを目的に、平地域包括支援センターが調査を実施しました。調査期間は去年1~2月。平地区の調剤薬局57店にアンケート用紙を配布し、個人店27店とチェーン店28店の計55店が回答しました。

 

● 「訪問」への熱意や焦り

2018年4~8月の訪問実績で、医療保険、介護保険いずれの利用でも8割以上の薬局が「訪問なし」と回答(★1)。アンケート回収した担当者は「訪問したい熱意はあるけど実際個人店は日中店を不在にできない」といった悩みの声を聞いたという。自由回答の「在宅医療に関するご意見」でも、個人店は「在宅訪問にあたり先方と時間を合わせるのが困難。一人薬剤師で開局時間内に薬局を空けられず、閉局後は夕食以降の時間帯で先方にご迷惑をかけてしまう」、チェーン店は「薬剤師不足で在宅訪問をやりたくてもできない。今後在宅にシフトし2025年問題(※2)にも対応せねばと少々焦りも感じている」という声もありました(★2)。

 

★1

 

★2

 

※2.  2025年問題とは

2025年は団塊の世代が75歳を迎える年で、医療・介護のニーズとともに社会保障費が急増すると予測されている問題

 

● 医療や介護との連携不足 7割実感

医療や介護との連携面では「ほとんど図られていないと思う」と「まったく図られていないと思う」と答えた薬局が合わせて39店で7割に達しました(★3)。在宅患者を支える医療、介護関係者が患者を交えてケアプランを話し合う「サービス担当者会議」で、「出席を求められたことがない」と答えた薬局が39店で同様に7割(★4)。「出席を求められたがしたことはない」という6店は、理由に業務多忙を多く挙げています(★5)。

 

★3

 

★4

 

★5

 

● 専門職に結果を共有

平地域包括支援センターはこれまで、市薬剤師会の会議や、医療・介護関係者が集まる「平在宅療養多職種連携の会」で調査結果を報告。今後、平地区の介護支援専門員(ケアマネジャー)にも共有し、薬局から医療や薬の視点でアドバイスをもらうなどの連携体制を構築していきたい考えです。