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投稿:2018年12月13日更新:2021年05月12日

多職種連携・地域連携

467. 歯科医院ない川前地区で口腔ケア講話

歯科医院がないいわき市川前地区の住民約70人がこのほど、川前公民館で口腔ケアの講座を受け、介護予防のためにも歯の健康維持が大切だと学びました。歯科医師による無料健診も行われ、歯ぐきに不安を抱えている女性は検査を受けて喜んでいました。

 

● 歯科医、言語聴覚士、管理栄養士が講話
川前地区の住民や事業所職員らでつくる「川前地区高齢者等支援ネットワーク連絡会」の検討会での一幕。歯科医院がないため口腔(こうくう)ケアの管理不足が懸念されて企画されました。演題は「お口の中から考える健康寿命の延ばし方~楽しく美味しく食べられる毎日のために」と題し、平田村の「ひらた中央クリニック歯科」の歯科医師・佐川優さん、ひらた中央病院の言語聴覚士・小山敏弘さん、小野町の特別養護老人ホームさくらの管理栄養士・平河内汐美さんが講師を務めました。

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↑無料で歯科検診する平田村の「ひらた中央クリニック歯科」の歯科医師・佐川さん(中央)

● 飲み込む筋肉をトレーニング
最初に講話した小山さんは、飲み込む筋肉を鍛えるための口腔体操と発声練習、早口言葉を指導。小山さんが「ぱたか ぱたか ぱたか」「あめんぼ あかいな あいうえお」「生麦生米生卵」などと言った後、参加者が続けて発声。ちぎった半紙をお椀に入れてうどんに変える手品も披露し、軽快なトークも交えて飽きさせずに来場者を笑わせました。平河内さんはかむ力や飲み込む力が低下するサインを紹介。かむ力が衰えると、食べ物が口に残り、よだれを垂らすようになると説明しました。特にタンパク質を多く摂るよう呼び掛け、おすすめの食品やおやつを挙げました。

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↑小山さんから指導を受けて口腔体操する参加者ら

● 無料の歯科検診も
佐川さんはオーラルフレイルについて講演。歯周病や虫歯になるとかむ力が低下し、軟らかい食べ物ばかり食べるようになると、食欲の低下や誤嚥につながると説明しました。歩けるうちに歯科医に通って口腔ケアを保ち、通えなくなったら訪問歯科サービスの利用を勧めました。休憩時間には佐川さんが希望者に無料で歯を検診。受診した83歳の女性は、若いころに歯槽膿漏(しそうのうろう)を患って歯ぐきが弱いと悩みつつも「近くに歯科医院がないからそのままにしている」と話します。夫の運転で年1回、片道約1時間の市中心部の歯科医院に通っているといいますが「たまに検診に来てくれるといいね」と喜んでいました。

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↑平河内さんが栄養についてアドバイスした講話

● 住民アンケート結果 生活で大変な事は?
講演後、生活に関する川前地区住民のアンケート結果も報告されました。普段の生活で大変な事では「買い物できる所が近くにない」「積雪(雪かきなど)」「医療機関が地区内にない」が回答の上位を占めました。「これからも川前地区で暮らし続けるためには」という自由回答の質問では、つどいの場などでの仲間づくりの声が多く挙がっていました。

 

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「歯科医院がない川前地区の現状が共有された『小川・川前地区中地域ケア会議』」 2018年10月13日投稿:http://ymciwakikai.jp/blog-entry-584.html