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投稿:2009年10月15日更新:2020年04月06日

山内クリニック スタッフの声【COLUMN】 コラム - 山内俊明

【コラム.05】高血圧治療ガイドライン2009について②(医師・山内俊明)

新しい高血圧の治療方針について前回に引き続きお話し致します。今回は第2回目とし、治療、特に生活習慣の修正についてお話ししましょう。

ところで、高血圧の治療の目的は「心血管病の発症、進展、再発を抑制して死亡を減少させ、高血圧患者が充実した日常を送れるように支援すること」となります。治療の対象はすべての高血圧患者(随時血圧140/90以上)であり、降圧治療には生活習慣の修正(第1段階)と降圧薬治療(第2段階)があります。この生活習慣の修正が今回のポイントです。

1. 減塩・・・6g/日未満

2. 食塩以外の栄養素・・・野菜・果物の積極的摂取(糖尿病や腎臓病のある方は主治医と相談要)、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える、魚(魚油)の積極的摂取

3. 減量・・・BMI(体重kgを身長mで2回割る)が、25未満

4. 運動・・・心血管病のない高血圧患者が対症で中等度の強度の有酸素運動を中心に定期的に(毎日30分以上を目標に)行う

5. 節酒・・・エタノールで男性20~30ml/日以下、女性10~20ml/日以下。具体的には、男性で焼酎半合弱、ビール中ビン1本、日本酒1合、ワイン2杯弱、ウイスキー・ブランデーダブル1杯のどれか1つに相当する量

6. 禁煙

7. その他の生活習慣の修正・・・トイレ、浴室、脱衣所などの暖房、情動ストレスの管理、熱すぎない風呂(38~42度)、便秘予防(排便時のいきみはさける)、性生活において高血圧ゆえの問題はあまりないが、心血管病を伴っている場合、刺激の強い性行為は慎むべきである。

8. 生活習慣の複合的な修正はより効果的である

9. 特定保健用食品で血圧に有効とされる食品についての指導・・・1日当たりの摂取目安量を遵守すること、降圧薬の代替となるものではないこと、使用したい場合には医師に相談すること。

以上となりますが、高血圧のない方でも上記の生活習慣の修正を行うことによって高血圧や生活習慣病の予防になりますので参考にして下さい。お大事に!

山内 俊明

※この記事は、朝日サリー(2009年10月号)「ハートでクリニック」に掲載されました