新型コロナウイルスの感染拡大防止のために休止していた多世代交流の場「すくのび広場」(いわき市平地区・イトーヨーカドー平店4階)が今月、段階的に再開しました。ワークショップやサロン、体操教室、ヨガに加え、助産師・歯科衛生士・管理栄養士と連携した多彩なプログラムを毎日開き、子どもの遊び場、母親の悩み相談の場を提供。コロナ禍ではプログラムを休止しつつも相談窓口は残し、この期間特有の悩みを抱えた母親に寄り添いました。再開後は安全対策を徹底。このほど、アレルギーの悩み相談に応える「もぐのびサロン」が開かれ、来場した親子は談笑を楽しんで息抜きしていました。
子育て支援や多世代交流の場になっている「すくのび広場」＝2020年6月18日
● 子育て支援、「多世代交流」の創出
「すくのび広場」は「すくのびくらぶ」(事務局：NPO法人「いわき緊急サポートセンター」※)が運営。東日本大震災から半年後、外遊びができない子どもたちに思いっきり遊んでもらおうと誕生した「とことん広場」が前身で、2014年9月に子育て支援を目的に始まりました。当初は未就学児の親子が対象でしたが、近年は中高生・大学生のインターンシップからお年寄りのボランティアまで受け入れて「多世代交流」の創出と支援者養成・人材育成も目指しています。
※ いわき緊急サポートセンターのホームページ：https://iwakikinsapo.jimdofree.com/
● 外部講師を招いた多彩なプログラム
広場は毎月1回（主に第一月曜）とお盆が休みで、毎日開催。滑り台やおもちゃの車といった遊具で伸び伸びと遊べる環境があり、工作や折り紙などの教室も。外部講師を招いて、歯磨き指導、ヨガ、バルーンアート、ベビーマッサージ、読み聞かせなども定期的に開かれています。年間でのべ約4万人の親子らが来所。引っ越したばかりの親子が紹介されて足を運ぶ姿や遠くからバスに乗ってくる母親も。ママ友同士の息抜きの場にもなり、コロナ禍前には毎日約20組、休日は70組以上が来場していました。
自由に選んで遊べるおもちゃ。消毒が済んだら包装し並べる
● コロナ禍 不安抱えて来所する母親も
コロナ禍では催し物を休止。ですが不要不急の外出自粛が求められる中でも、ストレスを抱えて駆け込む母親もいるかもしれないと職員が常駐していました。実際、不安を抱えて来所した母親がおり「家族がイライラしていて、いたたまれない」「いつまで続くのか先が見えず、自宅で毎日どう過ごすか」という悩みもあったという。休校で子どもと過ごす時間が増えストレスで思いつめた母親には、子どもの一時預かり支援をしたといいます。「すくのび広場」のスタッフは、コロナ禍とはいえ悩みを抱える母親がいなくなる訳ではないと、有事の際でも相談窓口を開いた意義を感じていました。
● コロナ対策 徹底して再開
再開は今月4日。来場者には検温や手指消毒をお願いし、8月までは遊戯スペースに仕切りを設け、利用時間を1人1時間に制限、開放時間も5時間に短縮しました。使い終わった遊具の消毒も実施。再開してから2週間が過ぎ、来場者は1日3～10組だといいます。「もぐのびサロン」が開かれた18日は、アレルギーっ子交流会「もぐのび」の緑川琴江代表がアドバイザーとして待ち受け。乳児を連れた母親は、コロナ禍での生活、アレルギーを専門に診療する小児科などの話題で情報交換。乳児が初めてのハイハイをしようと動き出し、明るい声援が上がりました。
● 「支援の輪が広がってほしい」
「すくのび広場」のスタッフは「助成金がなくては運営できない状態」と、資金集めに失敗したら打ち切りになる状況が毎年続いていると明かします。「(すくのび広場は)地域で母親を支える役割を果たしている。心の居場所や情報収集の場の運営に支援の輪がもっと広がってほしい」と話していました。
【すくのび広場】
場所：イトーヨーカドー平店4階(福島県いわき市平6丁目6-2)
開放時間(コロナ感染防止期間)：10～15時(土日祝日は16時まで)
日程カレンダー：https://sukunobi.jimdofree.com/%E5%BA%83%E5%A0%B4-%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC/
電話：080-6055-1099
【子育て関連記事】
