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投稿:2011年01月15日更新:2020年04月06日

山内クリニック スタッフの声【COLUMN】 コラム - 山内俊明

【コラム.09】ペースメーカや植え込み型除細動器などを 使用している患者さんへの気づかい①(医師・山内俊明)

上記を使用しながら生活をしている患者さんが皆様の周囲にも多くなっています。本人ももちろんですが周囲の方々も対応を知っておくと良いでしょう。日本循環器学会のガイドラインを参考にして大切な点をまとめてみました。2回シリーズでお話し致します。

1、携帯電話の場合:ペースメーカなどの植込み部位から携帯電話までは22cm以上離す。植込み部位の反対側の耳に当てて使用する。上着などの胸ポケットにはいれない。ウエストポーチの位置確認などが基本です。
その他の工夫としてはハンズフリーマイク付きイヤホンなどの利用があります。携帯電話が生活に欠かせない方もいると思います。使用を諦めないで工夫しましょう。

2、IH調理器、IH炊飯ジャーなどについては、50cm以上の距離が必要とされております。患者さん本人が使用することは避けた方がよいでしょう。

3、電気毛布は電力が弱く問題ありません。気になる方は電気毛布の内側に通常の毛布を入れて前もって暖めておいて布団に入る前にスイッチを切って下さい。もちろん、寒いときにはスイッチをいれても大丈夫です。

4、電子カーペットはその上に直接ペースメーカが密着する体位(うつ伏せなど)で寝ないで下さい。それ以外は問題ありません。

5、年末年始の旅行についての注意点、リニアモーターカーを含めた乗り物について、一般的な乗降や利用は問題ありません。空港などで用いられる金属探知用ゲートは影響しないとされています。しかし、ペースメーカなどの金属が金属探知機にチェックされた場合に空港係員が使用する携帯式金属探知機は非常に強い磁場を発生するので避ける必要があります。その際にはペースメーカ、ICD手帳を提示してボディチェックで代用してもらいましょう。また、カジノなどでのスロットマシーンには注意が必要です。強い電磁波を生じることもありますので遊びは止めたほうが安全です。

この内容は現時点での注意事項です。将来は変わるでしょう。どんな機器でも使用して体に異常を感じたら、使用を止める、体から離す、その場から離れることです。異常が持続したら専門医を受診して下さい。お大事に!

山内 俊明

※この記事は、朝日サリー(2011年1月号)「ハートでクリニック」に掲載されました