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投稿:2020年07月13日更新:2021年05月11日

多職種連携・地域連携

827. 二十歳前の若者 日本酒造りを体験・文化広める「いわきハタチ酒プロジェクト」

日本酒の魅力を若者に体感してもらう「いわきハタチ酒プロジェクト」が、いわき市で展開されています。二十歳前の若者が酒米づくりから仕込み、瓶詰めまで携わり、大人になってみんなで手造りの酒を酌み交わすという年間を通したイベント。本年度は3年目を迎え、“卒業生”がOB・OGとして参加するようになり輪も拡大。農家の後継者不足や若者の酒離れが進む中、新世代が日本酒文化を体感しています。

 

 

↑酒米の苗を植える参加者=いわき市常磐地区・2020年5月31日(両写真とも「いわきハタチ酒プロジェクト」提供)

 

● 農家、酒造会社、販売店などと連携

このプロジェクトは酒販売の合名会社「さわきや」(平地区)の代表社員・永山満久さんが代表を務めます。複数の客から大阪府でのプロジェクト「19歳の酒」を「いわきでもやりたい」と提案があったのが始まりでした。19歳の時に農作業や酒造りの体験をして二十歳になって手造りを味わうというその大阪のプロジェクトをモデルに、2018年度からスタートしました。狙いは稲作も含めた日本酒文化の伝承。関係者に声を掛け、常磐地区の農家、酒造会社「大平桜酒造」、市内の酒販売7店が協力。いわき芸術文化交流館「アリオス」も文化芸術の視点で興味を持ち、プロジェクトを追い掛けています。5月に田植え、9月に稲刈り、冬に酒蔵での酒造りを経て、春にお披露目会で乾杯。1升ビン800本が協力する販売店に並びます。

 

● ボランティアメンバーも増える

18、19歳の参加者数はおととしの1年目が約20人、2年目が約15人。卒業生の中からボランティアとして翌年参加する人も現れ、去年の田植えでは卒業生がおにぎりやお茶を準備しました。ですが今年は新型コロナウイルスの影響もあって周知を控え、二十歳前の参加者は2人にとどまりました。それでも永山さんは「二十歳で燗酒を覚えて、店に自分たちで造った酒を買いにくる。『有名だからおいしい』ではなく、酒ができる工程、仕組みも学んだ上で発酵が複雑な酒の味を語れるようになっている」と、卒業生を見ています。本年度のボランティアメンバーは地域住民も加わり、総勢約30人にまで広がっています。

 

「いわきハタチ酒プロジェクト」の代表を務める永山さん

 

● 酒米の田植え体験

今年の田植えは5月31日に実施。参加者は田んぼに足を突っ込み、いわき産酒米「夢の香」の苗を30アール手植えしました。泥だらけになり、お昼はプロジェクトを応援する飲食店からの弁当で舌鼓。和気あいあいと過ごして親睦を深めました(※その時の様子の動画)。次回9月は収穫祭で、稲刈り体験と「夢の香」についての講話を予定しています。

※ いわきハタチ酒プロジェクト紹介動画(YouTubeチャンネル「sunshineTViwaki」より):https://www.youtube.com/watch?v=YxUepAWiK6Q&t=15s

 

● 「農業、酒の文化を広げていきたい」

永山さんは「手掛けている酒はいわきの人が、いわき産の酒米で、いわきの酒蔵で造っているオールいわき産」と魅力を語ります。「酒造会社と農家が契約栽培するとコメ、酒の質が上がる」と、味の向上も追求。プロジェクト関連で、夏にアリオス前で酒を飲んで夢を語るロマンティックな催し「真夏の夜の夢」を開きたいという構想も。永山さんは「参加者のネットワークが広がっている。農業や酒に触れる若者を増やして、文化を広げていきたい」と話していました。

 

 

↑1期生、2期生が造った「ハタチ酒」

 

<「ハタチ酒」のいわき市内販売店>

①あわのや酒店(平大工町11-8)

②酒のいとう(勿来町窪田町通2-125-1)

③酒のまるとみ(小名浜大原字西細野地40-1)

④さわきや(平中町23-3)

⑤タイヘイ酒店(常磐下湯長谷町シザ72-1)

⑥丸伊酒店(平四丁目9-3)

⑦矢吹酒店(平六丁目2-9)

価格(税込):一升瓶3,080円、4合瓶1,540円

 

【関連情報】

「いわきハタチ酒プロジェクトのフェイスブックページ」:https://www.facebook.com/iwaki20sake/

 

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