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2011年11月15日

コラム 山内クリニック

【コラム.12】心房細動における抗血栓療法-新薬について-(医師・山内俊明)

いままで心房細動における抗血栓療法に関して、日本循環器学会がガイドライン・2008年改訂版において推奨していたのは、ワルファリンしかありませんでした。そこに新しい「ダビガトラン」という抗凝固薬が2011年3月に日本でも市販されました。納豆を食べることができる薬、毎回の採血検査をしないで投与できる薬として日本全国で使用されはじめています。

しかし、投与された患者さんに重篤な出血事例が報告され、不適切な投与もみられることから日本循環器学会は2011年8月に、心房細動診療にあたる医師に対して、新規抗凝固薬の正しい位置づけ、使用上の注意などを周知することを目的に、「心房細動における抗血栓療法に関する緊急ステートメント」を発表していました。詳しい内容については、使用する医師が確認することになりますが弁膜症性がない心房細動の患者さんの場合、血栓症の危険性をみるCHADS2スコアで1点以上(心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病、脳梗塞の既往のどれか1つ以上がある)は投与を推奨、その他のリスクがある患者さんは投与を考慮するとなっています。消化管出血の危険性がある、中等度の腎機能障害がある、70歳以上の患者さんでは投与量に注意が必要です。服用を希望される患者さんは主治医と相談して下さい。

余談ですが、ダビガトラン(プラザキサ)の薬価はワルファリンの10倍以上です。また、来年の3月までは投与期間が2週間以内と制限されています。お大事に!

山内 俊明

※この記事は、朝日サリー(2011年11月号)「ハートでクリニック」に掲載されました