みなさんはご自分の最期(終末期)をどのように考えますか?どんな方でも、必ず、死が訪れます。従って、その直前である終末期も必ず経験することになります。
その終末期医療の進め方を示した厚生労働省ガイドラインについてのお話、前回からの続きです。
精神的な、肉体的な苦痛は自分でも身内でも嫌ですね。でも我慢すれば明るい未来が訪れるなら苦痛に耐えて将来に期待します。しかし、終末期の先には死があるだけです。でも患者さん本人に頑張りたい気持ちがあればそれを尊重します。終末期の判断は複数の専門職からなる医療ケアチームによって慎重になされるべきで、その内容を患者さん本人が納得いくまで説明を受けて、その上で患者本人がどのような医療を受けたいかを決めることが大切です。しかし、患者本人が苦痛のために早く殺してくれと希望しても積極的に死を早めることは出来ません。医療ケアチームに出来ることは、患者が嫌がる治療をしないことと、苦痛を緩和すべく一生懸命努力することです。更に、本人や家族へ精神的、社会的なサポートを絶対に忘れないことです。
そして、皆さんが、今、出来ること、しておくべきことは、自分の希望を家族と話し合って、書き留めておくことです。終末期になっても心臓が止まるまで病気と闘うか、積極的な延命治療を希望せず苦痛を緩和してもらいながら自然死か、どちらが良いですか。
山内 俊明
※この記事は、朝日サリー(2012年11月号)「ハートでクリニック」に掲載されました